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社会保険労務士合格研究室

労働保険徴収法「審査請求など」

R8-087 11.19

労働保険徴収法「不服申立て」

 労働保険徴収法には、不服申立ての規定がありません。

 労働保険料その他労働保険徴収法の規定による徴収金に関する処分に不服がある者は、「行政不服審査法」に基づいて、審査請求を行います。

 

図でイメージしましょう

<パターン1>

労働保険徴収法の規定による処分に不服がある者

 

↓ 審査請求

厚生労働大臣

 

処分の取消しの訴え(裁判所に提訴する)

 

<パターン2>

労働保険徴収法の規定による処分に不服がある者

 

 

処分の取消しの訴え(裁判所に提訴する)

 

 

過去問を解いてみましょう

①【H28年出題】(労災)

 平成28年度の概算保険料に係る認定決定に不服のある事業主は、当該認定決定について、その処分庁である都道府県労働局歳入徴収官に対し、異議申立てを行うことができる。

 

 

 

 

【解答】

①【H28年出題】(労災) ×

 概算保険料に係る認定決定に不服のある事業主は、当該認定決定について、「厚生労働大臣」に対し、「審査請求」を行うことができます。

(行政不服審査法第4条第3号)

 

 

 

②【H28年出題】(労災)

 平成28年度の概算保険料に係る認定決定に不服のある事業主は、当該認定決定について、その処分に係る都道府県労働局に置かれる労働者災害補償保険審査官に対し、審査請求を行うことができる。

 

 

 

 

 

【解答】

②【H28年出題】(労災)×

 労働者災害補償保険審査官ではなく「厚生労働大臣」に対し、審査請求を行うことができます。

 

 

 

➂【H28年出題】(労災)

 平成28年度の概算保険料に係る認定決定に不服のある事業主は、当該認定決定について、厚生労働大臣に対し、再審査請求を行うことができる。

 

 

 

 

 

【解答】

➂【H28年出題】(労災) ×

 厚生労働大臣に対し、再審査請求ではなく「審査請求」を行うことができます。

 

 

 

④【R7年出題】(雇用)

 概算保険料額の認定決定の処分がなされ、当該処分について不服がある者は、所轄都道府県労働局の労働保険審査官に対して審査請求をすることができる。

 

 

 

 

【解答】

④【R7年出題】(雇用) ×

 所轄都道府県労働局の労働保険審査官ではなく「厚生労働大臣」に対して審査請求をすることができます。

 

 

 

⑤【R2年出題】(雇用)

 労働保険徴収法の規定による処分に不服がある者は、処分があったことを知った日の翌日から起算して3か月以内であり、かつ、処分があった日の翌日から起算して1年以内であれば、厚生労働大臣に審査請求をすることができる。ただし、当該期間を超えた場合はいかなる場合も審査請求できない。

 

 

 

 

【解答】

⑤【R2年出題】(雇用) ×

 審査請求期間については以下のように規定されています。

行政不服審査法第18

① 処分についての審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から起算して3か月を経過したときは、することができない。ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。

② 処分についての審査請求は、処分があった日の翌日から起算して1年を経過したときは、することができない。ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。

 処分があったことを知った日の翌日から起算して3か月以内であり、かつ、処分があった日の翌日から起算して1年以内であれば、厚生労働大臣に審査請求をすることができます。ただし、正当な理由があるときは、審査請求期間を超えても審査請求することができます。

 「審査請求期間を超えた場合はいかなる場合も審査請求できない」は誤りです。

 

 

 

⑥【R7年出題】(雇用)

 概算保険料額の認定決定の処分がなされ、当該処分に不服がある場合、当該処分があったことを知った日から3か月以内かつ処分の日から1年以内でなければ、取消訴訟を提起することができない。

 

 

 

 

 

【解答】

⑥【R7年出題】(雇用) ×

 出訴期間については以下のように規定されています。

行政事件訴訟法第14

① 取消訴訟は、処分又は裁決があったことを知った日から6か月を経過したときは、提起することができない。ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。

② 取消訴訟は、処分又は裁決の日から1年を経過したときは、提起することができない。ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。

 

問題文の「3か月」は「6か月」となります。

 

 

 

⑦【H28年出題】(労災)

 平成28年度の概算保険料に係る認定決定に不服のある事業主は、当該認定決定について、直ちにその取消しの訴えを提起することができる。

 

 

 

 

 

【解答】

⑦【H28年出題】(労災) 〇

 行政事件訴訟法第8条で、「処分の取消しの訴えは、当該処分につき法令の規定により審査請求をすることができる場合においても、直ちに提起することを妨げない。」と規定されています。

 概算保険料に係る認定決定に不服のある事業主は、当該認定決定について、審査請求を経なくても、直ちにその取消しの訴えを提起することが可能です。

 

 

 

⑧【R7年出題】(雇用)

 概算保険料額の認定決定の処分がなされ、当該処分に不服がある場合、審査請求の裁決を経た後でなければ、当該処分の取消しの訴えを提起することができない。

 

 

 

 

 

【解答】

⑧【R7年出題】(雇用) ×

 ⑦の問題と同じです。

 概算保険料額の認定決定の処分がなされ、当該処分に不服がある場合、審査請求の裁決を経なくても、当該処分の取消しの訴えを提起することができます。

 

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