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社会保険労務士合格研究室

健康保険法「時効」

R8-099 12.01

健康保険の時効は2年/起算日にも注意

 健康保険の時効をみていきます。

 条文を読んでみましょう

法第93条 (時効)

① 保険料等徴収し、又はその還付を受ける権利及び保険給付受ける権利は、これらを行使することができる時から2年を経過したときは、時効によって消滅する。

② 保険料等の納入の告知又は督促は、時効の更新の効力を有する。

 

 

過去問を解いてみましょう

①【R6年出題】

 徴収権の消滅時効の起算日は、保険料についてはその保険料の納期限の翌日、保険料以外の徴収金については徴収金を徴収すべき原因である事実の終わった日の翌日である。

 

 

 

 

【解答】

①【R6年出題】 〇

 徴収権の消滅時効の起算日について確認しましょう。

・保険料 → その保険料の納期限の翌日

・保険料以外の徴収金 → 徴収金を徴収すべき原因である事実の終わった日の翌日

(昭3.7.6保発第514)

 

 

 

②【R3年出題】

 療養の給付を受ける権利は、これを行使することができる時から2年を経過したときは、時効によって消滅する。

 

 

 

 

 

【解答】

②【R3年出題】 ×

 現物給付については、時効の対象となりません。

 

 

➂【H27年出題】

 傷病手当金を受ける権利の消滅時効は2年であるが、その起算日は労務不能であった日ごとにその翌日である。

 

 

 

 

 

【解答】

➂【H27年出題】 〇

 傷病手当金・出産手当金を受ける権利の消滅時効は2年です。

 起算日は、傷病手当金は「労務不能であった日ごとにその翌日」、出産手当金は「労務に服さなかった日ごとにその翌日」です。

(昭30.9.7保険発199の2)

 

 

④【R1年出題】

 出産手当金を受ける権利は、出産した日の翌日から起算して2年を経過したときは、時効によって消滅する。

 

 

 

 

 

【解答】

④【R1年出題】 ×

 出産手当金を受ける権利は、「労務に服さなかった日ごとにその翌日」から起算して2年を経過したときは、時効によって消滅します。

(昭30.9.7保険発199の2)

 

 

 

⑤【H30年出題】

 療養費の請求権の消滅時効については、療養費の請求権が発生し、かつ、これを行使し得るに至った日の翌日より起算される。例えば、コルセット装着に係る療養費については、コルセットを装着した日にコルセットの代金を支払わず、その1か月後に支払った場合、コルセットを装着した日の翌日から消滅時効が起算される。

 

 

 

 

 

【解答】

⑤【H30年出題】 ×

 コルセット装着に係る療養費については、コルセットの代金を支払った日が「療養費の請求権が発生し、かつ、これを行使し得るに至った日」です。そのためコルセットの代金を支払った日の翌日が時効起算日です。

(昭31.3.13保文発1903号)

 

 

 

⑥【H28年出題】※改正による修正あり

 健康保険法では、保険給付を受ける権利は、これを行使することができる時から2年を経過したときは時効によって消滅することが規定されている。この場合、消滅時効の起算日は、療養費は療養に要した費用を支払った日の翌日、高額療養費は診療月の末日(ただし、診療費の自己負担分を診療月の翌月以後に支払ったときは、支払った日の翌日)、高額介護合算療養費は計算期間(前年81日から731日までの期間)の末日の翌日である。

 

 

 

 

 

【解答】

⑥【H28年出題】 ×

 「高額療養費」の時効の起算日が誤りです。

(消滅時効の起算日について)

・療養費 → 療養に要した費用を支払った日の翌日

・高額療養費 → 診療月の翌月の1

※診療費の自己負担分を診療月の翌月以後に支払ったときは、支払った日の翌日

・高額介護合算療養費 → 計算期間(前年81日から731日までの期間)の末日の翌日

(31.3.13保文発1903号、昭48.11.7/保険発第99号/庁保険発第21号/、平21.4.30保保発第0430001)

 

 

 

⑦【R7年出題】

 被保険者が資格喪失後何らの手続をとることなく相当期間を経過したため、受給資格期間は満たしているが、資格喪失後の継続給付を受ける権利の一部が既に時効により消滅している場合、時効未完成の期間については同一の保険者から傷病手当金の給付を受けることができる。

 

 

 

 

 

【解答】

⑦【R7年出題】 ×

 資格喪失後何らの手続をとることなく相当期間を経過したため、受給資格期間は満たしているが、資格喪失後継続給付を受ける権利の一部がすでに時効により消滅している事例については、「継続して」に該当せず時効未完成の期間についても資格喪失後継続給付を受けることはできないものと解されています。

(31.12.24保文発第11283)

 

 

 

⑧【R7年出題】

 被保険者の資格を喪失した日の前日まで引き続き1年以上被保険者であった者が、被保険者の資格を喪失した日後6か月以内に出産したときは、出産した日の翌日から起算して5年を経過する日までの間、被保険者として受けることができるはずであった出産育児一時金の支給を最後の保険者から受けることができる。

 

 

 

 

 

【解答】

⑧【R7年出題】 ×

 出産育児一時金の時効は、出産した日の翌日から起算して「2年」です。

 

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