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社会保険労務士合格研究室

厚生年金保険法「脱退一時金」

R8-121 12.23

厚生年金保険の脱退一時金の支給要件

 国民年金法・厚生年金保険法には「脱退一時金」の制度があります。

 「日本国籍を有しない者」が対象です。

 国民年金・厚生年金保険の被保険者の資格を喪失し日本を出国した場合、要件を満たせば、脱退一時金の請求をすることができます。

 今回は、「厚生年金保険」の脱退一時金の支給要件をみていきます。

 

 条文を読んでみましょう

法附則第29条第1項、第2(日本国籍を有しない者に対する脱退一時金の支給)

① 当分の間、(厚生年金保険の)被保険者期間6月以上である日本国籍を有しない者(国民年金の被保険者でないものに限る。)であって、老齢年金の受給資格期間 (10年間)を満たしていないものその他これに準ずるものとして政令で定めるものは、脱退一時金の支給を請求することができる。ただし、その者が次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。

1) 日本国内に住所を有するとき。

2) 障害厚生年金その他政令で定める保険給付の受給権を有したことがあるとき。

3) 最後に国民年金の被保険者の資格を喪失した日(同日において日本国内に住所を有していた者にあっては、同日後初めて、日本国内に住所を有しなくなった日)から起算して2年を経過しているとき。

② 請求があったときは、その請求をした者に脱退一時金を支給する。

 

では、過去問を解いてみましょう

①【R3年出題】

 ある日本国籍を有しない者について、最後に厚生年金保険の被保険者資格を喪失した日から起算して2年が経過しており、かつ、最後に国民年金の被保険者資格を喪失した日(同日において日本国内に住所を有していた者にあっては、同日後初めて、日本国内に住所を有しなくなった日)から起算して1年が経過した。この時点で、この者が、厚生年金保険の被保険者期間を6か月以上有しており、かつ、障害厚生年金等の受給権を有したことがない場合、厚生年金保険法に定める脱退一時金の請求が可能である。

 

 

 

 

 

【解答】

①【R3年出題】 〇

脱退一時金の請求ができる要件として

・最後に国民年金被保険者資格を喪失した日から2年を経過していないこと

※国民年金の被保険者の資格を喪失した日に日本国内に住所を有していた場合は、同日後初めて、日本国内に住所を有しなくなった日から2年を経過していないこと

があります。

 問題文は、最後に国民年金の被保険者資格を喪失した日(同日において日本国内に住所を有していた者にあっては、同日後初めて、日本国内に住所を有しなくなった日)から起算して1が経過した時点ですので、脱退一時金の請求は可能です。

 

 

②【H30年出題】

 脱退一時金は、最後に国民年金の被保険者の資格を喪失した日(同日において日本国内に住所を有していた者にあっては、同日後初めて、日本国内に住所を有しなくなった日)から起算して2年を経過しているときは、請求することができない。

 

 

 

 

 

【解答】

②【H30年出題】 〇

 脱退一時金は、最後に国民年金の被保険者の資格を喪失した日(同日において日本国内に住所を有していた者にあっては、同日後初めて、日本国内に住所を有しなくなった日)から起算して2年を経過しているときは、請求できません。

 

 

 

➂【R7年出題】

 被保険者期間が6月以上である日本国籍を有しない者(国民年金の被保険者でないものに限る。)であって、老齢厚生年金の受給資格期間を満たさない等の支給要件を満たした者は、脱退一時金の支給を請求することができる。ただし、その者が日本の永住資格を有するときは、この限りでない。

 

 

 

 

 

【解答】

➂【R7年出題】 ×

 日本の永住資格を有していても、脱退一時金を請求することは可能です。

<注意点>

※永住許可を受けた者については、当該者が20歳以上60歳未満の期間に限り、昭和36年4月1日から永住許可を受けるまでの海外在住期間も受給資格期間に含めて判断される(合算対象期間)とされています。合算対象期間を入れて受給資格期間が10年以上になる場合は、脱退一時金の支給要件を満たしません。

(参照:厚生労働省「脱退一時金等について」)

 

 

 

④【R2年出題】

 障害厚生年金の支給を受けたことがある場合でも、障害の状態が軽減し、脱退一時金の請求時に障害厚生年金の支給を受けていなければ脱退一時金の支給を受けることができる。

 

 

 

 

 

【解答】

④【R2年出題】 ×

 「障害厚生年金その他政令で定める保険給付の受給権を有したことがあるときは脱退一時金を受けることはできません。

 「障害厚生年金の支給を受けたことがある」場合は、脱退一時金の支給は受けられません。

 

 

⑤【H26年出題】

 日本国籍を有しない者について、障害手当金の受給権を有したことがある場合であっても、脱退一時金を請求することができる。

 

 

 

 

 

【解答】

⑤【H26年出題】 ×

 「障害厚生年金その他政令で定める保険給付の受給権を有したことがあるときは脱退一時金を受けることはできません。

 「障害手当金」は、政令で定める給付の中に含まれます。

 そのため、障害手当金の受給権を有したことがある場合は、脱退一時金を請求することはできません。

(令第12条)

 

 

⑥【R1年出題】

 被保険者期間が6か月以上ある日本国籍を有しない者は、所定の要件を満たす場合に脱退一時金の支給を請求することができるが、かつて、脱退一時金を受給した者が再入国し、適用事業所に使用され、再度、被保険者期間が6か月以上となり、所定の要件を満たした場合であっても、再度、脱退一時金の支給を請求することはできない。

 

 

 

 

 

【解答】

⑥【R1年出題】 ×

 かつて、脱退一時金を受給した者が再入国し、再度、所定の要件を満たした場合は、再度、脱退一時金の支給の請求をすることができます。

 

 

 

⑦【R7年出題】

 脱退一時金の支給を受けた者は、その後、再び脱退一時金の支給要件を満たすことがあったとしても、脱退一時金の支給を請求することはできない。

 

 

 

 

 

【解答】

⑦【R7年出題】 ×

 ⑥の問題と同じです。

 かつて、脱退一時金を受給した者が再入国し、再度、所定の要件を満たした場合は、再度、脱退一時金の支給の請求をすることができます。

 

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