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社会保険労務士合格研究室

厚生年金保険法「2以上の種別」

R8-123 12.25

年金の事務|2以上の種別の被保険者であった期間を有する者

 厚生年金保険の被保険者には、次の4つの種別があります。

①第1号厚生年金被保険者

②③④以外の被保険者(民間企業の会社員など)

②第2号厚生年金被保険者

国家公務員

➂第3号厚生年金被保険者

地方公務員

④第4号厚生年金被保険者

私立学校教職員

 

 例えば、国家公務員から民間企業の会社員に転職した場合は、第1号厚生年金被保険者と第2号厚生年金被保険者の2種の種別の被保険者であった期間を有することになります。

 2以上の種別の被保険者であった期間を有する者の事務を行う実施機関をみていきます。

年金の種類

年金の事務

老齢厚生年金

それぞれの加入期間ごとに

各実施機関が行う

遺族厚生年金(長期要件)

障害厚生年金・障害手当金

初診日又は死亡日に加入していた

実施機関が行う

遺族厚生年金(短期要件)

 

では、過去問を解いてみましょう

①【R6年出題】

 2以上の種別の被保険者であった期間を有する者に係る老齢厚生年金の額は、その者の2以上の種別の被保険者であった期間を合算して一の期間に係る被保険者期間のみを有するものとみなして平均標準報酬額を算出し計算することとされている。

 

 

 

 

 

【解答】

①【R6年出題】 ×

 2以上の種別の被保険者であった期間を有する者に係る老齢厚生年金の額は、「各号の厚生年金被保険者期間ごと」に適用されます。第1号、第2号、第3号、第4号それぞれで区分して計算します。

 「合算して一の期間に係る被保険者期間のみを有するものとみなして」は誤りです。

※例えば、私立学校の教職員の期間が10年、民間企業の会社員の期間が30年ある場合の老齢厚生年金についてみてみましょう。

10年

30年

第4号厚生年金被保険者期間

1号厚生年金被保険者期間

・第4号厚生年金被保険者期間(10年分)の老齢厚生年金

 →日本私立学校振興・共済事業団が支給します

・第1号厚生年金被保険者期間(30年分)の老齢厚生年金

 →厚生労働大臣が支給します

 

 条文を読んでみましょう

法第78条の26(老齢厚生年金の受給権者及び年金額の特例)

① 2以上の種別の被保険者であった期間を有する者に係る老齢厚生年金について、第42条の規定(受給要件)を適用する場合においては、各号の厚生年金被保険者期間に係る被保険者期間ごとに適用する。

② 2以上の種別の被保険者であった期間を有する者に係る老齢厚生年金について、第43条の規定(年金額)を適用する場合においては、同条第1項に規定する被保険者であった全期間並びに同条第2項及び第3項に規定する被保険者であった期間は、各号の厚生年金被保険者期間ごとに適用し、同条第1項に規定する被保険者期間は、各号の厚生年金被保険者期間に係る被保険者期間ごとに適用し、同条第2項及び第3項に規定する被保険者の資格は、被保険者の種別ごとに適用する。

 

 

 

②【H28年出題

 障害厚生年金の受給権者であって、当該障害に係る障害認定日において2以上の種別の被保険者であった期間を有する者に係る当該障害厚生年金の支給に関する事務は、当該障害に係る障害認定日における被保険者の種別に応じた実施機関が行う。

 

 

 

 

 

【解答】

②【H28年出題】 ×

 「障害認定日」ではなく「初診日」における被保険者の種別に応じた実施機関が行います。

 条文を読んでみましょう

法第78条の331項(障害厚生年金等に関する事務の特例)

① 障害厚生年金及び障害手当金の支給に関する事務は、政令で定めるところにより、当該障害に係る初診日における被保険者の種別に応じた実施機関が行う。

 

 

 

➂【H29年出題】

 2以上の種別の被保険者であった期間を有する者に係る障害厚生年金の額は、初診日における被保険者の種別に係る被保険者期間のみが計算の基礎とされる。

 

 

 

 

 

【解答】

➂【H29年出題】 ×

 「初診日における被保険者の種別に係る被保険者期間のみが計算の基礎とされる」が誤りです。

※障害認定日において2以上の種別の被保険者であった期間を有する者に係る障害厚生年金の額について

→ その者の2以上の被保険者の種別に係る被保険者であった期間を合算し、一の期間に係る被保険者期間のみを有するものとみなして、障害厚生年金の額を計算します。

(法第78条の30

10年

8年

第1号厚生年金被保険者期間

第4号厚生年金被保険者期間

▲初診日

・ 初診日に第4号厚生年金被保険者ですので、障害厚生年金の支給に関する事務は、当該障害に係る初診日における被保険者の種別に応じた実施機関=日本私立学校振興・共済事業団が行います。

・ 障害厚生年金の額は、日本私立学校振興・共済事業団が、第1号厚生年金被保険者期間に基づく年金額と第4号厚生年金被保険者期間に基づく年金額を合算して計算します。

 なお、それぞれの期間を合算しても300か月に満たない場合は、300か月として計算します。

 

 

 

④【R7年出題】

 障害手当金の受給権者であって、当該障害認定日において2以上の種別の被保険者であった期間を有する者に係る当該障害手当金の支給に関する事務は、当該障害に係る障害認定日における被保険者の種別に応じて、厚生年金保険法第2条の5第1項各号に定める実施機関が行う。

 

 

 

 

 

 

【解答】

④【R7年出題】 ×

 障害手当金も障害厚生年金と同様に、当該障害に係る「障害認定日」ではなく、「初診日」における被保険者の種別に応じて、厚生年金保険法第2条の5第1項各号に定める実施機関が行います。

(法第78条の331項)

 

 

 

⑤【H30年出題】

 障害等級1級の障害厚生年金の受給権者(厚生年金保険法第58条第1項第4号に規定するいわゆる長期要件には該当しないものとする。)が死亡し、その者が2以上の被保険者の種別に係る被保険者であった期間を有していた場合、遺族厚生年金の額については、その死亡した者に係る2以上の被保険者の種別に係る被保険者であった期間を合算し、1の被保険者の種別に係る被保険者であった期間に係る被保険者期間のみを有するものとみなして額の計算をする。なお、それぞれの期間を合算しても300か月に満たない場合は、300か月として計算する。

 

 

 

 

 

 

⑤【H30年出題】 〇

この問題のポイント!

・「短期要件の遺族厚生年金」です。

→ 障害等級1級の障害厚生年金の受給権者(いわゆる長期要件には該当しないものとする。)の死亡

・「短期要件の遺族厚生年金」は「障害厚生年金」と同じ仕組みです。

短期要件の遺族厚生年金の額について

→ 2以上の被保険者の種別に係る被保険者であった期間を有していた場合は、死亡した者に係る2以上の被保険者の種別に係る被保険者であった期間を合算し、1の被保険者の種別に係る被保険者であった期間に係る被保険者期間のみを有するものとみなして計算します。また、それぞれの期間を合算しても300か月に満たない場合は、300か月として計算します。

(法第78条の321項)

 

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→ https://youtu.be/j6ZCTd3Zdbc?si=9Q1LudC6-M_7pbuF

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