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社会保険労務士合格研究室

労働基準法「労働時間」

R8-135 01.06

労働時間の基本をお話しします

 「労働時間」とは、労働者が使用者の「指揮命令下」に置かれている時間のことをいいます。

 「休憩時間」は、労働から解放される時間ですので、労働時間ではありません。

 例えば、始業9時、終業18時、休憩12時~13時の場合の労働時間は次のようになります。

・拘束時間 → 9時間(9時~18時)

・休憩時間 → 1時間(12時~13時)

・労働時間 → 9時間-1時間=8時間

 

 労働基準法では、労働時間の上限が定められています。

 条文を読んでみましょう

法第32条(労働時間)

① 使用者は、労働者に、休憩時間を除き1週間について40時間を超えて、労働させてはならない。

② 使用者は、1週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き1日について8時間を超えて、労働させてはならない

 

<原則> 労働時間の上限は、1週40時間・18時間です。

<特例> 商業、映画・演劇業(映画の製作の事業を除く。)、保健衛生業、接客娯楽業の事業のうち、常時10人未満の労働者を使用するものについては、1週間について44時間、1日について8時間まで労働させることができます。

★労働基準法で定められた労働時間の上限を「法定労働時間」といいます。

 

★残業させる場合(法定労働時間を超える場合)の手続

 使用者が、36協定(過半数労働組合又は過半数代表者との協定)を締結し、労働基準監督署長に届け出た場合 → 使用者は適法に時間外労働又は休日労働をさせることができます。

★割増賃金について

 時間外、休日、深夜に労働させた場合は、使用者は、割増賃金を支払わなければなりません。

 

 

過去問を解きながら「労働時間」の考え方をみていきましょう

<特例事業場の労働時間>

R4年出題】

 使用者は、労働基準法別表第1第8号(物品の販売、配給、保管若しくは賃貸又は理容の事業)、第10号のうち映画の製作の事業を除くもの(映画の映写、演劇その他興行の事業)、第13号(病者又は虚弱者の治療、看護その他保健衛生の事業)、第14号(旅館、料理店、飲食店、接客業又は娯楽場の事業)に掲げる事業のうち常時10人未満の労働者を使用するものについては、労働基準法第32条の規定にかかわらず、1週間について48時間、1日について10時間まで労働させることができる。

 

 

 

 

 

【解答】

R4年出題】 ×

 特例事業場については、1週間について48時間ではなく、44時間まで労働させることができます。また、1日についての上限は、原則と同じ「8時間」です。

★特例事業場も確認しましょう(赤字は略称です)

別表第1

・第8号(物品の販売、配給、保管若しくは賃貸又は理容の事業)   (商業)

・第10号(映画の製作又は映写、演劇その他興行の事業)※映画の製作の事業を除く

(映画・演劇業(映画の製作の事業を除く。)

・第13号(病者又は虚弱者の治療、看護その他保健衛生の事業)  (保健衛生業)

・第14号(旅館、料理店、飲食店、接客業又は娯楽場の事業)   (接客娯楽業)

に掲げる事業のうち常時10人未満の労働者を使用するものです。

 

 

<労働時間とは?最高裁判例より>

R6年選択式】

 最高裁判所は、労働者が始業時刻前及び終業時刻後の作業服及び保護具等の着脱等並びに始業時刻前の副資材等受出し及び散水に要した時間が労働基準法上の労働時間に該当するかが問題となった事件において、次のように判示した。

 「労働基準法(昭和62年法律第99号による改正前のもの)32条の労働時間(以下「労働基準法上の労働時間」という。)とは、労働者が使用者の< A >に置かれている時間をいい、右の労働時間に該当するか否かは、労働者の行為が使用者の< A >に置かれたものと評価することができるか否かにより客観的に定まるものであって、労働契約、就業規則、労働協約等の定めのいかんにより決定されるべきものではないと解するのが相当である。そして、労働者が、就業を命じられた業務の準備行為等を事業所内において行うことを使用者から義務付けられ、又はこれを余儀なくされたときは、当該行為を所定労働時間外において行うものとされている場合であっても、当該行為は、特段の事情のない限り、使用者の< A >に置かれたものと評価することができ、当該行為に要した時間は、それが社会通念上必要と認められるものである限り、労働基準法上の労働時間に該当すると解される。」

 

 

 

 

【解答】

A> 指揮命令下

(平12.3.9最高裁判所第一小法廷 三菱重工業長崎造船所事件)

ポイント!

 労働者が、就業を命じられた業務の準備行為等を事業所内において行うことを使用者から義務付けられ、又はこれを余儀なくされたときは、当該行為を所定労働時間外において行うものとされている場合であっても、当該行為は、特段の事情のない限り、使用者の指揮命令下に置かれたものと評価することができ、当該行為に要した時間は、それが社会通念上必要と認められるものである限り、労働基準法上の労働時間に該当すると解される。

 

 

 

【H28年出題】

 労働基準法32条の労働時間とは、「労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいい、右の労働時間に該当するか否かは、労働者の行為が使用者の指揮命令下に置かれたものと評価することができるか否かにより客観的に定まる」とするのが、最高裁判所の判例である。

 

 

 

 

 

【解答】

H28年出題】 〇

 労働基準法32条の労働時間とは、「労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいい、右の労働時間に該当するか否かは、労働者の行為が使用者の指揮命令下に置かれたものと評価することができるか否かにより客観的に定まるものであって、労働契約、就業規則、労働協約等の定めのいかんにより決定されるべきものではないと解するのが相当である」とされています。

(平12.3.9最高裁判所第一小法廷 三菱重工業長崎造船所事件)

 

 

 

 

<手待ち時間>

H30年出題】

 貨物自動車に運転手が二人乗り込んで交替で運転に当たる場合において、運転しない者については、助手席において仮眠している間は労働時間としないことが認められている。

 

 

 

 

 

【解答】

H30年出題】 ×

 運転しない者が、助手席で仮眠している間は「労働時間」です

 トラックに乗り込む点で使用者の拘束を受けていること、また、万一事故が発生したときは交替運転、故障修理等を行う役割があるためです。

(昭33.10.11基収6286号)

 

 

 

<仮眠時間>

R4年出題】

 警備員が実作業に従事しない仮眠時間について、当該警備員が労働契約に基づき仮眠室における待機と警報や電話等に対して直ちに対応することが義務付けられており、そのような対応をすることが皆無に等しいなど実質的に上記義務付けがされていないと認めることができるような事情が存しないなどの事実関係の下においては、実作業に従事していない時間も含め全体として警備員が使用者の指揮命令下に置かれているものであり、労働基準法第32条の労働時間に当たるとするのが、最高裁判所の判例である。

 

 

 

 

 

【解答】

R4年出題】 〇

 「従業員の職務は、もともと仮眠時間中も、必要に応じて,突発作業、継続作業、予定作業に従事することが想定され、警報を聞き漏らすことは許されず、警報があったときには何らかの対応をしなければならないものであるから、何事もなければ眠っていることができる時間帯といっても、労働からの解放が保障された休憩時間であるということは到底できず、本件仮眠時間は実作業のない時間も含め、全体として被上告人の指揮命令下にある労働時間というべきである」とされています。

(平14.2.28最高裁判所第一小法廷 大星ビル管理事件)

 

 

 

1日とは>

R1年出題】

 労働基準法第32条第2項にいう「1日」とは午前0時から午後12時までのいわゆる暦日をいい、継続勤務が2暦日にわたる場合には、たとえ暦日を異にする場合でも1勤務として取り扱い、当該勤務は始業時刻の属する日の労働として、当該日の「1日」の労働とする。

 

 

 

 

 

【解答】

R1年出題】  〇

 労働基準法第32条第2項にいう「1日」とは

・午前0時から午後12時までのいわゆる暦日のこと

・継続勤務が2暦日にわたる場合 → 暦日が異なっていても、1勤務として取り扱う。当該勤務は始業時刻の属する日の労働として、当該日の「1日」の労働となる。

(昭63.1.1基発1号)

 

 

1週間とは>

H30年出題】

 労働基準法第32条第1項は、「使用者は、労働者に、休憩時間を除き1週間について40時間を超えて、労働させてはならない。」と定めているが、ここにいう1週間は、例えば、日曜から土曜までと限定されたものではなく、何曜から始まる1週間とするかについては、就業規則等で別に定めることが認められている。

 

 

 

 

 

【解答】

H30年出題】 〇

 「1週間とは、就業規則その他に別段の定めがない限り日曜日から土曜日までのいわゆる暦週をいうものであること。」とされています。

 何曜から始まる1週間とするかについては、就業規則等で別に定めることができます。

(昭63.1.1基発1号)

 

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