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社会保険労務士合格研究室

「最初の一歩⑪」条文の読み方(健康保険法)

R4-111

R3.12.11 報酬の定義(健保編)

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では、条文で用語の定義を読んでみましょう。

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⑤ この法律において「報酬」とは、賃金、給料、俸給、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が、労働の対償として受けるすべてのものをいう。ただし、臨時に受けるもの及び3月を超える期間ごとに受けるものは、この限りでない。

 

⑥ この法律において「賞与」とは、賃金、給料、俸給、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が、労働の対償として受けるすべてのもののうち、3月を超える期間ごとに受けるものをいう。

 

 報酬は、保険料の計算や傷病手当金、出産手当金の基になり、また、賞与も保険料の計算の基になります。

 「報酬」は、「労働の対償として受けるすべてのもの」と定義されていて、通勤手当、住宅手当なども報酬となります。

 しかし、「臨時に受けるもの」と「3月を超える期間ごとに受けるもの」は報酬から除外されます。

 「臨時に受けるもの」は、大入り袋など常態として受ける報酬以外のもの、「3月を超える期間ごとに受けるもの」は、年3回以下の回数で支給される賞与のことです。

 

 なお、「報酬」、「報酬月額」、「標準報酬月額」の違いにも注意しましょう。

 「報酬」は労働の対償として受けるすべてのもの、「報酬月額」はそれを月ベースに換算したもの、「標準報酬月額」は、報酬月額を標準報酬月額等級(健康保険の場合1級から50級)にあてはめて簡単な数字にしたものです。

 

 

 次に「賞与」は、「3月を超える期間ごとに受けるもの」と定義されていて、3回以下の賞与のことです。もし、賞与が年間を通して4回以上支給されている場合は「報酬」に入ります。

 「標準賞与額」は、「賞与額」の1,000円未満を切り捨てた額です。

 ただし、年度の賞与額の累計額は573万円が上限です。

 

 

では、過去問を解いてみましょう。

①【H23年出題】

 健康保険法において「報酬」とは、賃金、給料、俸給、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が、労働の対償として受けるすべてのものをいうが、臨時に受けるもの及び3か月を超える期間ごとに受けるものは、この限りでない。

 

 

②【H22年出題】 ※改正による修正あり

 標準報酬月額は、被保険者の報酬月額に基づき、50等級区分によって定められるが、最低は第1級の58,000円であり、最高は第50級の1,390,000円である。

 

 

③【H28年出題】

 保険者等は、被保険者が賞与を受けた月において、その月に当該被保険者が受けた賞与額に基づき、これに千円未満の端数を生じたときは、これを切り捨てて、その月における標準賞与額を決定する。ただし、その月に当該被保険者が受けた賞与によりその年度における標準賞与額の累計額が540万円(第40条第2項の規定による標準報酬月額の等級区分の改定が行われたときは、政令で定める額。)を超えることとなる場合には、当該累計額が540万円となるようその月の標準賞与額を決定し、その年度においてその月の翌月以降に受ける賞与の標準賞与額は零とする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】

①【H23年出題】 〇

 「臨時に受けるもの」及び「3か月を超える期間ごとに受けるもの」は、報酬に含まれないのがポイントです。

 

 

②【H22年出題】 〇

 標準報酬月額は、50等級に区分されていて、最低は第1級の58,000円、最高は第50級の1,390,000円です。

(法第42条)

 

 

③【H28年出題】 ×

 年度の上限は、540万円ではなく、「573万円」です。

標準賞与額のポイント

・賞与額の1,000円未満の端数は切り捨てて、その月の標準賞与額を決定します

・その年度(毎年41日~翌年331日まで)の標準賞与額の累計額の上限は573万円です

573万円を超えることとなる場合は、累計額が573万円となるようその月の標準賞与額を決定し、その年度はその月の翌月以降に受ける賞与の標準賞与額はゼロ円になります。

 

 

 

 

 

ちょっと話は変わりますが・・・

 「労働基準法」「労災保険法」「雇用保険法」「徴収法」では、「労働の対償として使用者が労働者に支払うもの」は「賃金」といいます。 

 労働基準法を例にとりますと、 「臨時の賃金」、「3か月を超える期間ごとの賃金」も「賃金」に含まれます。 

 しかし、平均賃金を算定するときは、 「臨時の賃金」、「3か月を超える期間ごとの賃金(年3回以下の賞与)」は、賃金の総額から控除します。 

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