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社会保険労務士合格研究室

徴収法

R4-235 

R4.4.14 徴収法で「賃金」と解されるもの、解されないもの

 労災保険の保険料、雇用保険の保険料は、事業主が労働者に支払う「賃金」の総額を基礎に計算されます。

 今回は、保険料の基になる「賃金」の定義を確認しましょう。

 

では、条文を読んでみましょう。

第2条 (定義)

② 労働保険徴収法において「賃金」とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称のいかんを問わず、労働の対償として事業主が労働者に支払うもの通貨以外のもので支払われるものであって、厚生労働省令で定める範囲外のものを除く。)をいう。

③ 賃金のうち通貨以外のもので支払われるものの評価に関し必要な事項は、厚生労働大臣が定める。

 

則第3条 (通貨以外のもので支払われる賃金の範囲及び評価)

 法第2条第2項の賃金に算入すべき通貨以外のもので支払われる賃金の範囲は、食事、被服及び住居の利益のほか、所轄労働基準監督署長又は所轄公共職業安定所長の定めるところによる。

 

 通貨以外のもので支払われるのもの(現物給与)も賃金に含まれます。

 現物給与として賃金に算入されるものは、食事、被服及び住居の利益のほか、所轄労働基準監督署長又は所轄公共職業安定所長の定めるものです。

 通貨以外のもので支払われるものの評価に関し必要な事項は、厚生労働大臣が定めます。

 

では、過去問をどうぞ!

①【H19年出題】(雇用)

 労働保険徴収法における「賃金」は、通貨で支払われるもののみに限られず、食事、被服及び住居の利益のほか、所轄労働基準監督署長又は所轄公共職業安定所長の定めるものも含むものとされている。

 

 

②【H26年出題】(労災)

 慶弔見舞金は、就業規則に支給に関する規定があり、その規定に基づいて支払われたものであっても労働保険料の算定基礎となる賃金総額に含めない。

 

 

③【H24年出題】(労災)

 退職を事由として支払われる退職金であって、退職時に支払われるものについては、一般保険料の算定基礎となる賃金総額に算入しない。

 

 

④【H29年出題】(労災)

 労働者が在職中に、退職金相当額の全部又は一部を給与や賞与に上乗せするなど前払いされる場合は、原則として、一般保険料の算定基礎となる賃金総額に算入する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】

①【H19年出題】(雇用) 〇

なお、通貨以外のもので支払われるものの「評価」に関し必要な事項は、厚生労働大臣が定めます。

 

 

②【H26年出題】(労災) 〇

 結婚祝金、死亡弔慰金、災害見舞金など個人的、臨時的な吉凶禍福に対して支給されるものは、労働協約等によって事業主に支給が義務付けられていても賃金としては取り扱いません。

問題文のような就業規則で定められた慶弔見舞金であっても、労働保険料の算定基礎となる賃金総額に含まれません。

(昭25.2.16基発127号)

 

 

③【H24年出題】(労災) 〇

 退職を事由として支払われる退職金で、退職時に支払われるもの又は事業主の都合等により退職前に一時金として支払われるものについては、一般保険料の算定基礎となる賃金総額には算入されません。

(平15.10.1基徴発1001001号)

 

 

④【H29年出題】(労災) 〇

 「前払い退職金」について 

 労働者が在職中に、退職金相当額の全部又は一部を給与や賞与に上乗せするなど前払いされる場合は、労働の対償としての性格が明確で、労働者の通常の生計に充てられる経常的な収入としての意義があるため、原則として、一般保険料の算定基礎となる賃金総額に算入されます。

(平15.10.1基徴発1001001号)

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