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社会保険労務士合格研究室

健康保険法

R4-273 

R4.5.22 健保・保険料の源泉控除

 事業主は被保険者負担分の保険料を、報酬から控除できます。

 控除のルールを条文で読んでみましょう。

167条 (保険料の源泉控除)

 事業主は、被保険者に対して通貨をもって報酬を支払う場合においては、被保険者の負担すべき前月の標準報酬月額に係る保険料(被保険者がその事業所に使用されなくなった場合においては、前月及びその月の標準報酬月額に係る保険料)を報酬から控除することができる。

 

ポイント!

 被保険者の当月分の給料から控除できるのは、前月分の被保険者負担分の保険料です。

 ただし、被保険者が月末に退職し、当月分の保険料が徴収される場合は、前月分と当月分を控除することができます。

 

 

では、過去問をどうぞ!

 

①【H26年出題】

 523日に被保険者資格を取得した者の健康保険料の源泉控除について、その者の給与支払方法が月給制であり、毎月20日締め、当月末日払いの場合、事業主は、最初の給与(523日から620日までの期間に係るもの)で5月分の健康保険料を控除することができるが、毎月末日締め、当月25日払いの場合、最初の給与(523日から5月末日までの期間に係るもの)では健康保険料を控除することができない。

 

 

②【R1年出題】

 給与計算の締切り日が毎月15日であって、その支払日が当該月の25日である場合、730日で退職し、被保険者資格を喪失した者の保険料は7月分まで生じ、825日支払いの給与(716日から730日までの期間に係るもの)まで保険料を控除する。

 

 

③【H26年出題】

 勤務していた適用事業所を5月31日で退職し、被保険者資格を喪失した者の健康保険料の源泉控除について、その者の給与支払方法が月給制であり、毎月末日締め、当月25日払いの場合、事業主は、525日支払いの給与(51日から531日までの期間にかかるもの)で4月分及び5月分の健康保険料を控除することができる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】

①【H26年出題】 〇

 保険料は、資格を取得した月から徴収されますので、523日に被保険者資格を取得した場合は5月分から徴収されます。

 給与から控除できるのは、前月分です。

 月給制で、毎月20日締め、当月末日払いの場合、6月に支給される最初の給与(523日から620日までの期間に係るもの)で前月分の5月分の保険料を控除できます。 

 しかし、毎月末日締め、当月25日払いの場合、当月の5月に支給される最初の給与(523日から5月末日までの期間に係るもの)では保険料を控除できません。翌月の6月に支給される給与から控除します。

 

 

②【R1年出題】 ×

 730日退職の場合は、翌日の731日に資格を喪失します。

 第156条で、「前月から引き続き被保険者である者がその資格を喪失した場合においては、その月分の保険料は、算定しない」と規定されていますので、資格喪失月は保険料が生じないのがポイントです。

 730日に退職した場合、保険料が生じるのは6月分までです。725日支払いの給与(616日から715日までの期間に係るもの)で、6月分の保険料を控除します。

 

 

③【H26年出題】 〇

 5月31日退職の場合は、資格喪失日が61日で、保険料は5月分まで生じます。

 末日退職の場合の健康保険料の源泉控除は、前月分と当月分を控除できますので、毎月末日締め、当月25日払いの場合、525日支払いの給与(51日から531日までの期間にかかるもの)で前月の4月分と当月の5月分の保険料を控除することができます。

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