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社会保険労務士合格研究室

労働安全衛生法

R4-284 

R4.6.2 総括安全衛生管理者を選任する事業場

 今回のテーマは総括安全衛生管理者を選任する事業場です。

 

 まず、条文を読んでみましょう。

第10条 (総括安全衛生管理者)

① 事業者は、政令で定める規模の事業場ごとに、厚生労働省令で定めるところにより、総括安全衛生管理者を選任し、その者に安全管理者、衛生管理者又は第25条の2第2項(救護に関する措置)の規定により技術的事項を管理する者の指揮をさせるとともに、次の業務を統括管理させなければならない

 1 労働者の危険又は健康障害を防止するための措置に関すること。

 2 労働者の安全又は衛生のための教育の実施に関すること。

 3 健康診断の実施その他健康の保持増進のための措置に関すること。

 4 労働災害の原因の調査及び再発防止対策に関すること。

 5 前各号に掲げるもののほか、労働災害を防止するため必要な業務で、厚生労働省令で定めるもの

② 総括安全衛生管理者は、当該事業場においてその事業の実施を統括管理する者をもって充てなければならない

 

 総括安全衛生管理者は「事業場ごと」に選任します。

 第10条第2項で、「総括安全衛生管理者は、当該事業場においてその事業の実施を統括管理する者をもって充てなければならない。」と規定されています。イメージとしては、工場長や作業所長などです。

 ちなみに、労働安全衛生法は、労働基準法と同様に「事業場単位」で適用されます。一の事業場であるか否かは、「場所的観念」で決定されます。

 

 

では、過去問をどうぞ!

 

①【H28年出題】

 労働安全衛生法における事業場の業種の区分については、その業態によって個別に決するものとし、経営や人事等の管理事務をもっぱら行っている本社、支店などは、その管理する系列の事業場の業種とは無関係に決定するものとしており、たとえば、製鉄所は製造業とされるが、当該製鉄所を管理する本社は、製造業とはされない。

 

 

②【R3年出題】 

 総括安全衛生管理者は、労働安全衛生法施行令で定める業種の事業場の企業全体における労働者数を基準として、企業全体の安全衛生管理を統括管理するために、その選任が義務づけられている。

 

 

③【R2年出題】 

 総括安全衛生管理者は、当該事業場においてその事業の実施を統括管理する者をもって充てなければならないが、必ずしも安全管理者の資格及び衛生管理者の資格を共に有する者のうちから選任しなければならないものではない。

 

 

 

④【H24年出題】

 常時120人の労働者を使用する清掃業の事業場の事業者は、総括安全衛生管理者を選任する義務があるが、当該事業場においてその事業の実施を統括管理する者であれば、他に資格等を有していない場合であっても、その者を総括安全衛生管理者に選任し、当該事業場の労働災害を防止するため必要な業務を統括管理させることができる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】

①【H28年出題】 〇

 総括安全衛生管理者は、政令で定める規模の「事業場ごとに」選任します。

 事業場の業種の区分は、例えば、〇〇製鉄株式会社の場合、「製鉄所」は製造業ですが、別の場所にある管理事務部門の本社や支店は「その他の業種」となります。

 ちなみに、総括安全衛生管理者の選任義務があるのは、「製造業」では労働者数が常時300人以上の事業場、「その他の業種」では、労働者数が常時1,000人以上の事業場です。

S47.9.18発基第91号) 

 

②【R3年出題】 ×

 企業全体における労働者数ではなく、事業場の労働者数が基準になり、企業全体ではなくその事業場の安全衛生管理を統括管理します。

(令第2条)

 

③【R2年出題】 〇

 総括安全衛生管理者の選任の要件は、「当該事業場においてその事業の実施を統括管理する者」です。安全管理者の資格や衛生管理者の資格は問われません。

 

 

④【H24年出題】 〇

 常時100人以上の労働者を使用する清掃業の事業場は、総括安全衛生管理者を選任する義務があります。

 総括安全衛生管理者のキーワードは「統括管理」です。名前は総括安全衛生管理者だけど、仕事は総括管理ではなく統括管理です。

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