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社会保険労務士合格研究室

厚生年金保険法

R4-334

R4.7.22 2以上の障害が生じた場合の障害厚生年金の併合認定

 障害厚生年金の受給権者に更に障害厚生年金の受給権が生じた場合は、併合認定が行われます。

 

 条文を読んでみましょう。

48条 (障害厚生年金の併給の調整)

1 障害厚生年金(その権利を取得した当時から引き続き障害等級の1級又は2級に該当しない程度の障害の状態にある受給権者に係るものを除く)の受給権者に対して更に障害厚生年金(障害等級1級又は2)を支給すべき事由が生じたときは、前後の障害を併合した障害の程度による障害厚生年金を支給する。

2 障害厚生年金の受給権者が前後の障害を併合した障害の程度による障害厚生年金の受給権を取得したときは、従前の障害厚生年金の受給権は、消滅する

 

併合認定のイメージ

・併合認定の対象になるのは、「1級又は2級に該当したことがある障害厚生年金」です。

・先発の年金が3級でも、障害基礎年金が支給停止になっている場合(短期間でも1級又は2級の障害状態にあったことがある場合)は、併合認定の対象になります。

・なお、障害基礎年金の受給権がない3級は対象外です。

 

2

2

併合

1

2

2

1

 

 

3級

2

併合

1

支給停止

2

1

 

 

過去問をどうぞ!

①【H27年出題】

 障害等級3級の障害厚生年金の受給権者(受給権を取得した当時から引き続き障害等級1級又は2級に該当したことはなかったものとする。)について、更に障害等級2級に該当する障害厚生年金を支給すべき事由が生じたときは、前後の障害を併合した障害の程度による障害厚生年金が支給され、従前の障害厚生年金の受給権は消滅する。

 

 

②【H29年出題】

 障害厚生年金の受給権を取得した当時は障害等級2級に該当したが、現在は障害等級3級である受給権者に対して、新たに障害等級2級の障害厚生年金を支給すべき事由が生じたときは、前後の障害を併合した障害厚生年金を支給することとし、従前の障害厚生年金の受給権は消滅する。

 

 

③【R3年出題】

 厚生年金保険法第48条第2項の規定によると、障害等級2級の障害厚生年金の受給権者が、更に障害等級2級の障害厚生年金を支給すべき事由が生じたことにより、同法第48条第1項に規定する前後の障害を併合した障害の程度による障害厚生年金の受給権を取得したときは、従前の障害厚生年金の支給は停止するものとされている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】

①【H27年出題】 ×

 受給権を取得した当時から引き続き障害等級1級又は2級に該当したことがない3級の障害厚生年金の場合、障害基礎年金の受給権がありません。

 先発の障害が3級の障害厚生年金(受給権を取得した当時から引き続き1級又は2級に該当したことはなかったものとする。)の場合は、第48条の併合認定の対象になりません。

 

 

②【H29年出題】 〇

 受給権を取得した当時は2級に該当したが、現在は3級である障害厚生年金の場合は、障害基礎年金の受給権があります。

 障害厚生年金の受給権を取得した当時は2級に該当したが、現在は3級である受給権者に対して、新たに障害等級2級の障害厚生年金を支給すべき事由が生じたときは、併合認定の対象になります。

 第48条により、前後の障害を併合した障害厚生年金を支給することとし、従前の障害厚生年金の受給権は消滅します。

 

3級

2

併合

1

支給停止

2

1

 

 

 

③【R3年出題】 ×

2級の障害厚生年金の受給権者が、更に2級の障害厚生年金を支給すべき事由が生じたことにより、前後の障害を併合した障害の程度による障害厚生年金の受給権を取得したときは、「従前の障害厚生年金の受給権は消滅」します。支給停止ではありません。

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