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社会保険労務士合格研究室

厚生年金保険法

R4-338

R4.7.26  30歳未満の妻の遺族厚生年金

 夫の死亡当時、夫によって生計を維持していた妻には、子の有無や年齢に関係なく遺族厚生年金の受給権が発生します。

 

 今回は、夫の死亡当時30歳未満だった妻の遺族厚生年金の失権について確認しましょう。

 

では、条文を読んでみましょう。

1 遺族厚生年金の受給権を取得した当時30歳未満であるが当該遺族厚生年金と同一の支給事由に基づく国民年金法による遺族基礎年金の受給権を取得しないときは、当該遺族厚生年金の受給権を取得した日から起算して5年を経過したときに消滅する。

2 遺族厚生年金と当該遺族厚生年金と同一の支給事由に基づく国民年金法による遺族基礎年金の受給権を有する妻30歳に到達する日前に当該遺族基礎年金の受給権が消滅したときは、当該遺族基礎年金の受給権が消滅した日から起算して5年を経過したときに消滅する。

(法第63条第15項)

 

ポイント! 夫の死亡当時30歳未満の妻について

1について

 夫の死亡当時30歳未満で子がいない場合は、遺族基礎年金の受給権は取得できませんので、遺族厚生年金の受給権のみ取得します。

 その場合は、遺族厚生年金の受給権を取得した日から起算して5年を経過したときに失権します。

 

夫死亡

(妻27歳・子なし)        30歳            

遺族厚生年金

  ←  ←  ←  ←  ←  5年  →  →  →  →    失権

 

 

2について

 夫の死亡当時子がある場合は、遺族基礎年金と遺族厚生年金の受給権を取得します。

 しかし、妻が30歳に到達する前に子の死亡等により、遺族基礎年金の受給権が消滅したときは、遺族基礎年金の受給権が消滅した日から起算して5年を経過したときに失権します。

夫死亡

(妻27歳・子あり)        妻28歳

遺族厚生年金

遺族基礎年金

← ←  ← 5年  → → → 失権

                  子死亡               

               (遺族基礎年金失権

 

 

過去問をどうぞ!

①【R3年出題】

 厚生年金保険の被保険者の死亡により、被保険者の死亡の当時27歳で子のいない妻が遺族厚生年金の受給権者となった。当該遺族厚生年金の受給権は、当該妻が30歳になったときに消滅する。

 

 

②【H29年出題】

 遺族厚生年金及び当該遺族厚生年金と同一の支給事由に基づく遺族基礎年金の受給権を取得した妻について、当該受給権の取得から1年後に子の死亡により当該遺族基礎年金の受給権が消滅した場合であって、当該消滅した日において妻が30歳に到達する日前であった場合は、当該遺族厚生年金の受給権を取得した日から起算して5年を経過したときに当該遺族厚生年金の受給権は消滅する。

 

 

③【H26年出題】

 遺族厚生年金の受給権を取得した当時30歳未満である妻が、当該遺族厚生年金と同一の支給事由に基づく遺族基礎年金の受給権を取得しない場合、当該遺族厚生年金の受給権を取得した日から5年を経過したときに、その受給権は消滅する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】

①【R3年出題】 ×

 夫の死亡の当時27歳で子のいない妻の遺族厚生年金の受給権は、当該妻が30歳になったときではなく、「遺族厚生年金の受給権を取得した日から5年を経過したとき」に消滅します。

 

 

②【H29年出題】 ×

 妻が30歳に到達する日前に遺族基礎年金の受給権が消滅した場合は、当該遺族厚生年金の受給権を取得した日ではなく、「遺族基礎年金の受給権が消滅した日」から起算して5年を経過したときに遺族厚生年金の受給権が消滅します。

 

 

③【H26年出題】 〇

 夫の死亡当時30歳未満で、遺族基礎年金の受給権を取得しない妻の遺族厚生年金の受給権は、当該遺族厚生年金の受給権を取得した日から5年を経過したときに消滅します。

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