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社会保険労務士合格研究室

 令和4年の問題を復習しましょう(厚生年金保険法)

R5-052

R4.10.18 R4択一式より 遺族厚生年金・中高齢寡婦加算の年齢要件

 今日は、遺族厚生年金・中高齢寡婦加算の年齢要件を確認しましょう。

 

条文を読んでみましょう。

59条 (遺族厚生年金の遺族)

 遺族厚生年金を受けることができる遺族は、被保険者又は被保険者であった者の配偶者、子、父母、孫又は祖父母であって、被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時(失踪の宣告を受けた被保険者であった者にあっては、行方不明となった当時。)その者によって生計を維持したものとする。ただし、妻以外の者にあっては、次に掲げる要件に該当した場合に限るものとする。

1 夫、父母又は祖父母については、55歳以上であること。

2 子又は孫については、18歳に達する日以後の最初の331までの間にあるか、又は20歳未満で障害等級の1級若しくは2級に該当する障害の状態にあり、かつ、現に婚姻をしていないこと。

 

62条 (中高齢寡婦加算

遺族厚生年金(長期要件に該当することにより支給されるものであって、その額の計算の基礎となる被保険者期間の月数が240未満であるものを除く)の受給権者であるであってその権利を取得した当時40歳以上65歳未満であったもの又は40に達した当時当該被保険者若しくは被保険者であった者の子で遺族基礎年金の遺族の要件に該当するものと生計を同じくしていたものが65歳未満であるときは、遺族厚生年金の額に遺族基礎年金の額に4分の3を乗じて得た額(その額に50円未満の端数が生じたときは、これを切り捨て、50円以上100円未満の端数が生じたときは、これを100円に切り上げるものとする。)を加算する。 

 

ポイント!

★遺族厚生年金の遺族の要件

 妻には年齢要件・障害要件はありません。

 夫、父母、祖父母には年齢要件、子、孫には年齢要件・障害要件があります。

★中高齢寡婦加算の妻の要件

 対象は妻のみです。

・遺族厚生年金の受給権取得当時、生計を同じくする子がいない場合(遺族基礎年金が支給されない場合) → 夫の死亡当時、妻の年齢が40歳以上65歳未満であること

・遺族厚生年金の受給権取得当時、生計を同じくする子がいる場合(遺族基礎年金が支給される場合) → 妻が40歳に達した当時遺族基礎年金を受けていること

※中高齢寡婦加算が加算されるのは、65歳に達するまでです。

 

では、令和4年の問題をどうぞ!

【問10-C

 被保険者であった45歳の夫が死亡した当時、当該夫により生計を維持していた子のいない38歳の妻は遺族厚生年金を受けることができる遺族となり中高齢寡婦加算も支給されるが、一方で、被保険者であった45歳の妻が死亡した当時、当該妻により生計を維持していた子のいない38歳の夫は遺族厚生年金を受けることができる遺族とはならない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】

【問10-C】 ×

・夫の死亡当時、子のいない38歳の妻 

→ 「遺族厚生年金」は受けることができます。中高齢寡婦加算は、子がいない場合は夫の死亡当時40歳以上であることが要件ですので、中高齢寡婦加算は支給されません。

・妻の死亡した当時、子のいない38歳の夫

→ 夫は妻の死亡当時55歳以上であることが要件ですので、遺族厚生年金を受けることはできません。なお、子の有無は関係ありません。

 

 

 

過去問をどうぞ!

①【R1年出題】

 被保険者であった妻が死亡した当時、当該妻により生計を維持していた54歳の夫と21歳の当該妻の子がいた場合、当該子は遺族厚生年金を受けることができる遺族ではないが、当該夫は遺族厚生年金を受けることができる遺族である。

 

 

②【H27年出題】

 子のない妻が、被保険者である夫の死亡による遺族厚生年金の受給権を取得したときに30歳以上40歳未満であった場合、妻が40歳に達しても中高齢寡婦加算は加算されない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】

①【R1年出題】 ×

 21歳の子も54歳の夫も年齢要件を満たしませんので、遺族厚生年金を受けることはできません。

 

 

②【H27年出題】 〇

 子のない妻は、夫の死亡当時に40歳以上65歳未満であることが条件です。

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