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R5-133
「請負事業の一括」の出題ポイントを確認しましょう。
例えば、ビルの工事現場では、元請A社の労働者、下請B社の労働者、孫請C社の労働者がいっしょに仕事をしています。労災保険は、A社、B社、C社それぞれで成立するのではなく、その工事現場で成立します。その際、労災保険の保険関係は、元請負人A社に一括されるのがポイントです。
条文を読んでみましょう。
第8条第1項 (請負事業の一括) 労災保険に係る保険関係が成立している事業のうち建設の事業が数次の請負によって行なわれる場合には、労働保険徴収法の規定の適用については、その事業を一の事業とみなし、元請負人のみを当該事業の事業主とする。 |
下請負事業が元請負事業に法律上当然に一括され、徴収法上の事業主は、元請負人のみとなります。
第8条第2項(下請負事業の分離) 元請負人及び下請負人が、当該下請負人の請負に係る事業に関して事業主として適用を受けることにつき申請をし、厚生労働大臣の認可があったときは、当該請負に係る事業については、当該下請負人を元請負人とみなして適用する。 |
下請負事業を元請負事業から分離させ、独立させることもできます。その場合は、厚生労働大臣の認可が必要です。※認可の権限は都道府県労働局長に委任されています。
★認可申請の手続き
・元請負人と下請負人が共同で、保険関係が成立した日の翌日から起算して10日以内に、申請書を所轄都道府県労働局長に提出する
・下請負事業の事業の規模が、「概算保険料が160万円以上」又は「請負金額が1億8千万円以上」であることが必要です。
では、過去問をどうぞ!
①【R2問8-A労災】
請負事業の一括は、労災保険に係る保険関係が成立している事業のうち、建設の事業又は立木の伐採の事業が数次の請負によって行われるものについて適用される。
②【R2問8-B労災 】
請負事業の一括は、元請負人が、請負事業の一括を受けることにつき所轄労働基準監督署長に届け出ることによって行われる。
③【R2問8-C労災】
請負事業の一括が行われ、その事業を一の事業とみなして元請負人のみが当該事業の事業主とされる場合、請負事業の一括が行われるのは、「労災保険に係る保険関係が成立している事業」についてであり、「雇用保険に係る保険関係が成立している事業」については行われない。
④【R2問8-D労災】
請負事業の一括が行われ、その事業を一の事業とみなして元請負人のみが当該事業の事業主とされる場合、元請負人は、その請負に係る事業については、下請負をさせた部分を含め、そのすべてについて事業主として保険料の納付の義務を負い、更に労働関係の当事者として下請負人やその使用する労働者に対して使用者となる。
⑤【R2問8-E労災】
請負事業の一括が行われると、元請負人は、その請負に係る事業については、下請負をさせた部分を含め、そのすべてについて事業主として保険料の納付等の義務を負わなければならないが、元請負人がこれを納付しないとき、所轄都道府県労働局歳入徴収官は、下請負人に対して、その請負金額に応じた保険料を納付するよう請求することができる。
【解答】
①【R2問8-A労災】 ×
請負事業の一括の対象は、「労災保険に係る保険関係が成立している事業のうち「建設の事業」です。「立木の伐採の事業」には適用されません。
②【R2問8-B労災 】 ×
請負事業の一括は、法律上当然に行われます。届出や申請など手続きは不要です。
③【R2問8-C労災】 〇
一の事業とみなして元請負人のみが事業主とされるのは、「労災保険に係る保険関係」のみです。「雇用保険に係る保険関係が成立している事業」については一括されませんので、雇用保険については、原則通り、元請、下請それぞれの事業ごとに適用されます。
④【R2問8-D労災】 ×
請負事業の一括が行われると、元請負人が、その請負に係る事業については、下請負をさせた部分を含め、事業主として保険料の納付の義務を負います。
しかし、だからといって、労働関係の当事者として下請負人やその使用する労働者に対して使用者となることはありません。
⑤【R2問8-E労災】 ×
元請負人が保険料を納付しないときに下請負人に対して保険料の請求ができる、という規定はありません。
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