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社会保険労務士合格研究室

厚生年金保険法 2種類以上の被保険者であった期間

R5-155

R5.1.29 2以上の種別の被保険者であった期間を有する者の年金額

 厚生年金保険の被保険者には第1号厚生年金被保険者、第2号厚生年金被保険者、第3号厚生年金被保険者、第4号厚生年金被保険者の4つの種別があります。

 

 例えば、民間企業の会社員と、国家公務員の経験がある人の場合は、第1号厚生年金被保険者としての期間と、第2号厚生年金被保険者としての期間の2つの種別の被保険者であった期間を有することとなります。

 今日は、2つ以上の種別の被保険者であった期間を有する場合の年金額の計算について確認しましょう。

 

 

では、過去問をどうぞ!

①【H29年出題】

 2以上の種別の被保険者であった期間を有する者の老齢厚生年金の額の計算においては、その者の2以上の被保険者の種別に係る期間を合算して1の期間に係る被保険者期間のみを有するものとみなして平均標準報酬額を算出する。

 

 

②【H29年出題】

 2以上の種別の被保険者であった期間を有する者に係る障害厚生年金の額は、初診日における被保険者の種別に係る被保険者期間のみが計算の基礎とされる。

 

 

③【H28年出題】

 障害厚生年金の受給権者であって、当該障害に係る障害認定日おいて2以上の種別の被保険者であった期間を有する者に係る当該障害厚生年金の支給に関する事務は、当該障害に係る障害認定日における被保険者の種別に応じた実施機関が行う。

 

 

④【H30年出題】

 障害等級1級の障害厚生年金の受給権者(厚生年金保険法第58条第1項第4号に規定するいわゆる長期要件には該当しないものとする。)が死亡し、その者が2以上の被保険者の種別に係る被保険者であった期間を有していた場合、遺族厚生年金の額については、その死亡した者に係る2以上の被保険者の種別に係る被保険者であった期間を合算し、1の被保険者の種別に係る被保険者であった期間に係る被保険者期間のみを有するものとみなして額の計算をする。なお、それぞれの期間を合算しても300か月に満たない場合は、300か月として計算する。

 

⑤【H28年出題】

 第1号厚生年金被保険者期間が15年、第3号厚生年金被保険者期間が18年ある老齢厚生年金の受給権者が死亡したことにより支給される遺族厚生年金は、それぞれの被保険者期間に応じてそれぞれの実施機関から支給される。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】

①【H29年出題】 ×

 例えば、第1号厚生年金被保険者期間が10年、第4号厚生年金被保険者期間が19年ある場合、合算して計算するのではなく、第1号厚生年金被保険者期間分と、第4号厚生年金被保険者期間分をそれぞれで計算します。

 また、年金の支給は、10年分は厚生労働大臣から、19年分は日本私立学校振興・共済事業団から、それぞれ支給されます。

★2以上の種別の被保険者であった期間を有する者の老齢厚生年金について

年金額の計算

それぞれの種別ごとに計算

年金の支給事務

それぞれの実施機関が行う

(法第78条の262項)

 

 

②【H29年出題】 ×

 「2以上の被保険者の種別に係る被保険者であった期間を合算し、1の期間に係る被保険者期間のみを有するもの」とみなして額を計算します。

(法第78条の30

 

③【H28年出題】 ×

 障害認定日ではなく「初診日」における被保険者の種別に応じた実施機関が行います。

(法第78条の33

 

★2以上の種別の被保険者であった期間を有する者の障害厚生年金について

年金額の計算

2以上の被保険者の種別に係る被保険者であった期間を合算

年金の支給事務

初診日に加入していた実施機関が行う

 

 

④【H30年出題】 〇

短期要件の遺族厚生年金の額は、2以上の被保険者の種別に係る被保険者であった期間を合算し、1の被保険者の種別に係る被保険者であった期間に係る被保険者期間のみを有するものとみなして額の計算をします。

(法第78条の321項)

 

⑤【H28年出題】 〇

長期要件の遺族厚生年金は、各号の被保険者期間に係る被保険者期間ごとにそれぞれの実施機関から支給されます。

(法第78条の322項)

★2以上の種別の被保険者であった期間を有する者の遺族厚生年金について

年金額の計算

<短期要件>

2以上の被保険者の種別に係る被保険者であった期間を合算

<長期要件>

各被保険者期間ごとに支給される

年金の支給事務

<短期要件>

死亡日(又は初診日)に加入していた実施機関が行う

<長期要件>

それぞれの実施機関が行う

 

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