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社会保険労務士合格研究室

労働安全衛生法 安全衛生管理体制

R5-177

R5.2.20 安全衛生管理体制・業種や人数がポイント

 安全衛生管理体制の全体像をみていきましょう。

 今日の過去問には、X市の本社、Y市の食料品製造工場、Z市の2店舗が出てきます。

 業種や規模は、企業単位ではなく、事業場ごとで判断します。

 

では、過去問をどうぞ!

H29年出題】

 次に示す業態をとる株式会社についての安全衛生管理に関する記述のうち、正しいものはどれか。なお、衛生管理者及び産業医については、選任の特例(労働安全衛生規則第8条及び同規則第13条第3項)を考えないものとする。

X市に本社を置き、人事、総務等の管理業務と営業活動を行っている。

  使用する労働者数   常時40

Y市に工場を置き、食料品を製造している。

 工場は24時間フル操業で、1グループ150人で構成する4つのグループの計600人の労働者が、1日を3つに区分した時間帯にそれぞれ順次交替で就業するいわゆる4直3交替で、業務に従事している。したがって、この600人の労働者は全て、1月に4回以上輪番で深夜業に従事している。なお、労働基準法第36条第1項ただし書きに規定する健康上特に有害な業務に従事する者はいない。

Z市に2店舗を置き、自社製品を小売している。

Z1店舗  使用する労働者数   常時15

Z2店舗  使用する労働者数   常時15人(ただし、この事業場のみ、うち    12人は14時間労働の短時間労働者)

 

A X市にある本社には、総括安全衛生管理者、衛生管理者及び産業医を選任しなければならない。

B Y市にある工場には、安全委員会及び衛生委員会を設置しなければならず、それぞれの委員会の設置に代えて、安全衛生委員会を設置することができるが、産業医については、その工場に専属の者を選任しなければならない。

C Y市にある工場には衛生管理者を3人選任しなければならないが、そのうち少なくとも1人を衛生工学衛生管理者免許を受けた者のうちから選任しなければならない。

D X市にある本社に衛生管理者が選任されていれば、Z市にあるZ1店舗には衛生推進者を選任しなくてもよい。

E Z市にあるZ2店舗には衛生推進者の選任義務はない。

 

 

 

 

 

 

 

【解答】

A ×

 X市にある本社は、施行令第2条(総括安全衛生管理者を選任すべき事業場)第3号の「その他の業種」に該当します。「その他の業種」の場合、総括安全衛生管理者の選任は常時千人以上の労働者を使用する事業場が対象です。

 また、衛生管理者及び産業医の選任義務があるのは、常時50人以上を使用する事業場です。

 X市にある本社では、総括安全衛生管理者、衛生管理者及び産業医の選任義務はありません。

(令第2条、第4条、第5条)

 

B 〇

 Y市の工場は、常時600人の労働者を使用しています。食料品の製造業の場合、安全委員会は常時100人以上規模、衛生委員会は(業種関係なく)50人以上規模の事業場で設置義務がありますので、安全委員会と衛生委員会の両方の設置が必要です。また、それぞれの委員会に代えて安全衛生委員会を設置することもできます。

 産業医については、常時50人以上規模の事業場で選任義務があります。

 また、「常時千人以上」の労働者を使用する事業場又は「一定の有害業務に常時500人以上」の労働者を従事させる事業場は、その事業場に専属の者を選任する義務があります。

 Y市の工場では、600人の労働者が深夜業に従事していることがポイントです。一定の有害業務には、「深夜業を含む業務」が入っています。深夜業を含む業務に常時600人の労働者を従事させていますので、専属の産業医が必要です。

(法第17条、第18条、第19条、則第13条)

 

C ×

 Y市の工場では衛生管理者を3人選任しなければなりません。

 また、「常時500人を超える労働者を使用する事業場で、坑内労働又は労働基準法施行規則第18条第1号、第3号から第5号まで若しくは第9号に掲げる業務に常時30人以上の労働者を従事させるものにあっては、衛生管理者のうち1人を衛生工学衛生管理者免許を受けた者のうちから選任」する必要があります。

 上記の業務には、「深夜業を含む業務」が入っていないのがポイントです。衛生工学衛生管理者免許を受けた者のうちから選任する必要はありません。

(則第7条)

 

D ×

安全衛生管理体制は、「事業場ごと」に適用されますので、本社と店舗は別となります。

 Z市にあるZ1店舗では、衛生推進者を選任する義務があります。

 ちなみに、本社も10人以上50人未満の規模ですので、衛生管理者ではなく衛生推進者の選任が必要です。

(則第12条の2)

 

E ×

 事業場の人数には、パートタイマー等の数も含まれます。Z市にあるZ2店舗にも衛生推進者の選任義務があります。

S47.9.18 基発第602号) 

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