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社会保険労務士合格研究室

労働基準法 平均賃金

R5-208

R5.3.23 平均賃金を計算しましょう。

 今日は、平均賃金を計算します。

 まず、条文を読んでみましょう。

12条第1項~5

① 平均賃金とは、これを算定すべき事由の発生した日以前3か月間にその労働者に対し支払われた賃金の総額を、その期間の総日数で除した金額をいう。ただし、その金額は、次の各号の一によって計算した金額を下ってはならない。

1. 賃金が、労働した若しくは時間によって算定され、又は出来高払制その他の請負制によって定められた場合においては、賃金の総額をその期間中に労働した日数で除した金額の100分の60

2. 賃金の一部が、月、週その他一定の期間によって定められた場合においては、その部分の総額をその期間の総日数で除した金額と前号の金額の合算額

② ①の期間は、賃金締切日がある場合においては、直前の賃金締切日から起算する。

③ ①、②に規定する期間中に、次の各号のいずれかに該当する期間がある場合においては、その日数及びその期間中の賃金は、期間及び賃金の総額から控除する。

1. 業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業した期間

2. 産前産後の女性が第65条の規定によって休業した期間

3. 使用者の責めに帰すべき事由によって休業した期間

4. 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律に規定する育児休業又は介護休業をした期間

5. 試みの使用期間

④ 賃金の総額には、臨時に支払われた賃金及び3か月を超える期間ごとに支払われる賃金並びに通貨以外のもので支払われた賃金で一定の範囲に属しないもの算入しない

⑤ 賃金が通貨以外のもので支払われる場合、の賃金の総額に算入すべきものの範囲及び評価に関し必要な事項は、厚生労働省令で定める。

ポイント!

・ 平均賃金は、原則として次の計算式で算定します。

→算定すべき事由の発生した日以前3か月間の賃金の総額÷その期間の総日数

 ただし、日給、時給、請負制による賃金の場合は、最低保障があります。

 最低保障の計算式→賃金の総額÷その期間中に労働した日数×100分の60

※「総日数」と「労働日数」を区別しましょう。「総日数」は暦上の日数です。例えば、3月なら31日です。

・ 賃金締切日がある場合は、算定事由の発生した日の直前の賃金締切日から起算した3か月で計算します。

・ 次の期間は、平均賃金の計算式の「日数」と「賃金の総額」の両方から控除します。

1.業務上の傷病により休業した期間

2.産前産後の女性の休業期間

3.使用者の責めに帰すべき事由により休業した期間

4.育児休業又は介護休業期間

5.試みの使用期間

・ 次の賃金は「賃金の総額」から除外されます。

 臨時に支払われた賃金

 3か月を超える期間ごとに支払われる賃金(年2回の賞与など)

 通貨以外のもので支払われた賃金で一定の範囲に属しないもの

 

 

では、過去問をどうぞ!

R1年問1

 次に示す条件で賃金を支払われてきた労働者について7月20日に、労働基準法第12条に定める平均賃金を算定すべき事由が発生した場合、その平均賃金の計算に関する記述のうち、正しいものはどれか。

<条件>

賃金の構成:基本給、通勤手当、職務手当及び時間外手当

賃金の締切日:基本給、通勤手当及び職務手当については、毎月25日

       時間外手当については、毎月15日

賃金の支払日:賃金締切日の月末

 

A 3月26日から6月25日までを計算期間とする基本給、通勤手当及び職務手当の総額をその期間の暦日数92で除した金額と4月16日から7月15日までを計算期間とする時間外手当の総額をその期間の暦日数91で除した金額を加えた金額が平均賃金になる。

 

B 4月、5月及び6月に支払われた賃金の総額をその計算期間の暦日数92で除した金額が平均賃金になる。

 

C 3月26日から6月25日までを計算期間とする基本給及び職務手当の総額をその期間の暦日数92で除した金額と4月16日から7月15日までを計算期間とする時間外手当の総額をその期間の暦日数91で除した金額を加えた金額が平均賃金になる。

 

D 通勤手当を除いて、4月、5月及び6月に支払われた賃金の総額をその計算期間の暦日数92で除した金額が平均賃金になる。

 

E 時間外手当を除いて、4月、5月及び6月に支払われた賃金の総額をその計算期間の暦日数92で除した金額が平均賃金になる。

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】  

A 〇

 平均賃金は、賃金の締切日がある場合は、直前の賃金締切日から遡る3か月で計算します。

 賃金ごとに賃金締切日が異なる場合は、それぞれの賃金の賃金締切日から遡ります。

 問題文の場合、「基本給、通勤手当及び職務手当」の直前の賃金締切日は625日、「時間外手当」は715日です。

 平均賃金は、((3月26日から6月25日までの基本給、通勤手当及び職務手当の総額)÷92日)+((4月16日から7月15日までの時間外手当の総額)÷91日)で計算します。

S26.12.27 基収5926号)

 

B ×

 賃金によって賃金締切日が異なりますので、Aの問題のように、それぞれの賃金締切日から遡って計算します。

C ×

 「通勤手当」は平均賃金に算入しなければなりません。通勤手当が計算に入っていませんので誤りです。

 

D ×

E ×

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