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社会保険労務士合格研究室

労働保険徴収法 確定保険料

R5-212

R5.3.27 納付した概算保険料が確定保険料より多い場合

 継続事業と一括有期事業は、保険年度単位で保険料を申告納付します。

 保険年度の初めに概算保険料を申告・納付し、年度終了後に確定保険料で精算する仕組みです。

 

 今日は、納付した概算保険料が確定保険料より多かった場合の手続です。

 

条文を読んでみましょう。

法第19条第6

 事業主が納付した概算保険料の額が、確定保険料の額をこえる場合には、政府は、厚生労働省令で定めるところにより、そのこえる額を次の保険年度の労働保険料若しくは未納の労働保険料その他この法律の規定による徴収金に充当し、又は還付する。

 

則第36条第1項 (労働保険料の還付)

 事業主が、確定保険料申告書を提出する際に、又は確定保険料の認定決定の通知を受けた日の翌日から起算して10日以内に、それぞれ、既に納付した概算保険料の額のうち、確定保険料の額を超える額(以下「超過額」という。)還付を請求したときは、官署支出官又は所轄都道府県労働局資金前渡官吏は、その超過額を還付するものとする。

 

則第37条 (労働保険料の充当)

1 還付の請求がない場合には、所轄都道府県労働局歳入徴収官は、超過額又は法第 20条第3項の差額を次の保険年度の概算保険料若しくは未納の労働保険料その他法の規定による徴収金又は未納の一般拠出金(石綿による健康被害の救済に関する法律の規定により労災保険適用事業主から徴収する一般拠出金をいう。)等に充当するものとする。

2 所轄都道府県労働局歳入徴収官は、1の規定により、次の保険年度の概算保険料若しくは未納の労働保険料その他法の規定による徴収金又は未納の一般拠出金等に充当したときは、その旨を事業主に通知しなければならない

 

ポイント!

★納付した概算保険料の額が、確定保険料の額をこえる場合

→政府は、そのこえる額を次の保険年度の労働保険料等に「充当」、又は「還付」します。

・還付について

→ 事業主が、確定保険料申告書を提出する際に、又は確定保険料の認定決定の通知を受けた日の翌日から起算して10日以内に、それぞれ、超過額の還付を請求したときは、官署支出官又は所轄都道府県労働局資金前渡官吏は、その超過額を還付します。

 

・充当について

→ 還付の請求がない場合には、所轄都道府県労働局歳入徴収官は、超過額を次の保険年度の概算保険料等に充当します。

→ 所轄都道府県労働局歳入徴収官は、充当したときは、その旨を事業主に通知しなければなりません。

※充当が行われるのは、還付請求がない場合です。

 

 

過去問をどうぞ!

①【R1年出題】(労災)

 事業主は、既に納付した概算保険料の額のうち確定保険料の額を超える額(超過額)の還付を請求できるが、その際、労働保険料還付請求書を所轄都道府県労働局歳入徴収官に提出しなければならない。

 

 

②【R4年出題】(労災)

 概算保険料を納付した事業主が、所定の納期限までに確定保険料申告書を提出しなかったとき、所轄都道府県労働局歳入徴収官は当該事業主が申告すべき正しい確定保険料の額を決定し、これを事業主に通知することとされているが、既に納付した概算保険料の額が所轄都道府県労働局歳入徴収官によって決定された確定保険料の額を超えるとき、当該事業主はその通知を受けた日の翌日から起算して10日以内に労働保険料還付請求書を提出することによって、その超える額の還付を請求することができる。

 

 

③【H24年出題】(雇用)

 継続事業の事業主が納付した労働保険料の額が、確定保険料の額を超える場合において還付請求が行われないとき、所轄都道府県労働局歳入徴収官は、法令の定めるところにより、その超える額を次の保険年度の概算保険料又は未納の労働保険料等に充当する。

 

 

④【H29年出題】(雇用)

 事業主による超過額の還付の請求がない場合であって、当該事業主から徴収すべき次の保険年度の概算保険料その他未納の労働保険料等があるときは、所轄都道府県労働局歳入徴収官は、当該超過額を当該概算保険料等に充当することができるが、この場合、当該事業主による充当についての承認及び当該事業主への充当後の通知は要しない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】

①【R1年出題】 ×

 労働保険料還付請求書は、官署支出官又は所轄都道府県労働局資金前渡官吏に提出します。

 

 

②【R4年出題】 〇

既に納付した概算保険料の額が、認定決定された確定保険料の額を超えるときは、事業主はその通知を受けた日の翌日から起算して10日以内に労働保険料還付請求書を提出することによって、その超える額の還付を請求することができます。

 

 

③【H24年出題】 〇

 所轄都道府県労働局歳入徴収官が、超える額を次の保険年度の概算保険料又は未納の労働保険料等に充当するのは、還付請求が行われないときです。

 

 

④【H29年出題】 ×

 所轄都道府県労働局歳入徴収官が超過額を充当した場合、「当該事業主による充当についての承認」は不要です。しかし、「当該事業主への充当後の通知」は必要です。 

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