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社会保険労務士合格研究室

健康保険法 国や地方公共団体の負担との調整

R5-243

R5.4.27 国や地方公共団体が医療費を負担する場合の調整

 例えば、災害時などに、国や地方公共団体が医療費を負担する場合があります。

 そのような場合の健康保険の調整をみていきましょう。

 

 条文を読んでみましょう。

55条第4

 被保険者に係る療養の給付又は入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費、移送費、家族療養費、家族訪問看護療養費若しくは家族移送費の支給は、同一の疾病又は負傷について、他の法令の規定により国又は地方公共団体の負担で療養又は療養費の支給を受けたときは、その限度において、行わない

 

まず、過去問をどうぞ!

 

①【R3年出題】

 公害健康被害の補償等に関する法律(以下本問において「公害補償法」という。)による療養の給付、障害補償費等の補償給付の支給がされた場合において、同一の事由について当該補償給付に相当する給付を支給すべき健康保険の保険者は、公害補償法により支給された補償給付の価額の限度で、当該補償給付に相当する健康保険による保険給付は行わないとされている。

 

②【H30年出題】

 被保険者に係る所定の保険給付は、同一の傷病について、災害救助法の規定により、都道府県の負担で応急的な医療を受けたときは、その限度において行われない。

 

③【H16年出題】

 生活保護法による医療扶助と健康保険による保険給付が併用される場合は、健康保険による保険給付が優先され、費用のうち健康保険による保険給付が及ばない部分について、医療扶助の対象となる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】

①【R3年出題】 〇

 例えば水質汚濁等の公害で病気になった場合は、公害補償法の制度で療養の給付などの補償が行われます。

 公害補償法で、補償給付の支給がされた場合は、公害補償法により支給された補償給付の価額の限度で、健康保険による保険給付は行わない、とされています。

(公害補償法第14条、昭50.12.8保険発第110号・庁保険発第20号)

 

 

②【H30年出題】 〇

 災害救助法の目的は、「災害が発生し、又は発生するおそれがある場合において、国が地方公共団体、日本赤十字社その他の団体及び国民の協力の下に、応急的に、必要な救助を行い、災害により被害を受け又は被害を受けるおそれのある者の保護と社会の秩序の保全を図ること」です。

 被保険者に係る所定の保険給付は、同一の傷病について、災害救助法の規定により、都道府県の負担で応急的な医療を受けたときは、その限度において行われません。

 

 

③【H16年出題】 〇

 生活保護には、生活扶助、教育扶助、住宅扶助、医療扶助、介護扶助、出産扶助、生業扶助及び葬祭扶助の8種類の保護があります。 

 生活保護法による医療扶助と健康保険による保険給付では、健康保険による保険給付が優先されます。

 費用のうち健康保険による保険給付が及ばない部分は、医療扶助の対象となります。

健康保険からの保険給付

自己負担分

(医療扶助の給付対象)

(生活保護法第4条)

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