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社会保険労務士合格研究室

健康保険法 傷病手当金の支給

R5-297

R5.6.20 傷病手当金と老齢年金の調整

 傷病手当金と老齢基礎年金・老齢厚生年金は同時に受けられるでしょうか?

 

 条文を読んでみましょう。

法第108条第5

 傷病手当金の支給を受けるべき者(資格喪失後継続給付により傷病手当金を受けるべき者に限る。)が、国民年金法又は厚生年金保険法による老齢又は退職を支給事由とする年金である給付であって政令で定めるもの(以下「老齢退職年金給付」という。)の支給を受けることができるときは、傷病手当金は、支給しない

 ただし、その受けることができる老齢退職年金給付の額(当該老齢退職年金給付が2以上あるときは、当該2以上の老齢退職年金給付の額の合算額)につき厚生労働省令で定めるところにより算定した額が、傷病手当金の額より少ないときは、その差額を支給する。 

 

則第89条第2

 ただし書の厚生労働省令で定めるところにより算定した額は、老齢退職年金給付の額(当該老齢退職年金給付が2以上あるときは、当該2以上の老齢退職年金給付の額の合算額)360で除して得た額(その額に1円未満の端数があるときは、その端数を切り捨てた額)とする。

  

ポイントその1!

 老齢退職年金給付と調整されるのは、「資格喪失後の継続給付により傷病手当金を受ける者」に限られます。

 老齢退職年金給付を受けることができる者には、資格喪失後の傷病手当金の継続給付は、原則として支給されません。退職後に、老齢年金と傷病手当金の両方が支給されると、所得保障が重複してしまうからです。

 

ポイントその2!

 ただし、「老齢退職年金給付の額÷360」が、傷病手当金の額より少ない場合は、その差額が傷病手当金として支給されます。

 

では、過去問をどうぞ!

①【H23年出題】

 被保険者資格を喪失後に傷病手当金の継続給付を受給している者が、老齢又は退職を支給事由とする年金である給付であって政令で定めるもの(以下「老齢退職年金給付」という。)の支給を受けることができるとき、老齢退職年金給付は支給されない。

 

 

②【H27年出題】

 適用事業所に使用される被保険者が傷病手当金を受けるときには、老齢基礎年金及び老齢厚生年金との調整は行われない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】

①【H23年出題】 ×

 被保険者資格を喪失後に傷病手当金の継続給付を受給している者が、老齢退職年金給付の支給を受けることができるとき、「老齢退職年金給付は支給されない」ではなく、「傷病手当金は支給されない」です。 

 ただし、「老齢退職年金給付の額÷360」が、傷病手当金の額より少ない場合は、その差額が傷病手当金として支給されます。

 

 

②【H27年出題】 〇

 「適用事業所に使用される被保険者」=在職中に傷病手当金を受けるときには、老齢基礎年金及び老齢厚生年金との調整は行われません。

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