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社会保険労務士合格研究室

令和5年度過去問で解ける問題 厚生年金保険法

R6-039

R5.10.5 老齢厚生年金の退職時改定

「過去問」で解ける問題を解説していきます。

今日は、厚生年金保険法です。

 

条文を読んでみましょう。

43条第3

 被保険者である受給権者がその被保険者の資格を喪失し、かつ、被保険者となることなくして被保険者の資格を喪失した日から起算して1か月を経過したときは、その被保険者の資格を喪失した月前における被保険者であった期間を老齢厚生年金の額の計算の基礎とするものとし、資格を喪失した日(14条第2号から第4号までのいずれかに該当するに至った日にあっては、その日)から起算して1か月を経過した日の属する月から、年金の額を改定する。

 

 退職などで厚生年金保険の被保険者資格を喪失した場合は、老齢厚生年金の年金額の見直しが行われます。

 ポイントを確認しましょう。

・資格を喪失し、かつ、再び被保険者となることなくして資格を喪失した日から起算して1か月経過しました

・資格を喪失した月前の被保険者であった期間を算入して、老齢厚生年金の額を再計算します

・資格を喪失した日から起算して1か月を経過した日の属する月から、年金額が改定されます。

※なお、「(第14条第2号)その事業所又は船舶に使用されなくなったとき」、「(第14条第3号)適用事業所でなくすることの認可を受けたとき、任意単独被保険者の資格喪失の認可を受けたとき」、「(第14条第4号)適用除外に該当するに至ったとき」は、「その日から起算」して1か月を経過した日の属する月から、年金額が改定されます。

 例えば、「退職」で資格を喪失した場合は、退職日の翌月から年金額が改定されます。

 

では、過去問をどうぞ!

H28年出題】

 在職老齢年金の受給権者が平成28年1月31日付けで退職し同年2月1日に被保険者資格を喪失し、かつ被保険者となることなくして被保険者の資格を喪失した日から起算して1か月を経過した場合、当該被保険者資格を喪失した月前における被保険者であった期間も老齢厚生年金の額の計算の基礎とするものとし、平成28年3月から年金額が改定される。

 

 

 

 

 

 

 

【解答】

H28年出題】 ×

 退職時改定は、「資格を喪失した日から起算して1か月を経過した日の属する月」から改定されるのが原則です。

 しかし、「その事業所又は船舶に使用されなくなったとき=退職の場合」は、「その日から起算して1か月を経過した日の属する月」から、改定されます。

 問題文は、1月31日付退職・2月1日に被保険者資格喪失ですので、131日から起算して1か月を経過した日の属する月=2月から年金額が改定されます。

 

では、令和5年の問題をどうぞ!

R5年出題】

 被保険者である受給権者がその被保険者の資格を喪失し、かつ、再び被保険者となることなくして被保険者の資格を喪失した日から起算して1か月を経過したときは、その被保険者の資格を喪失した月以前における被保険者であった期間を老齢厚生年金の額の計算の基礎とするものとし、資格を喪失した日から起算して1か月を経過した日の属する月から、年金の額を改定する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】

R5年出題】 ×

 退職時改定で新たに老齢厚生年金の額の計算に加えるのは、「その被保険者の資格を喪失した月前における被保険者であった期間」です。

 その被保険者の資格を喪失した月「以前」ではありません。資格を喪失した月は含まれませんので注意しましょう。

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