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社会保険労務士合格研究室

令和5年度過去問で解ける問題 国民年金法

R6-074

R5.11.9 死亡一時金の遺族の範囲

過去問で解ける問題をみていきましょう。

今日は国民年金法です。

 

条文を読んでみましょう。

52条の21項 (死亡一時金の支給要件)

 死亡一時金は、死亡日の前日において死亡日の属する月の前月まで第1号被保険者としての被保険者期間に係る保険料納付済期間の月数、保険料4分の1免除期間の月数の4分の3に相当する月数、保険料半額免除期間の月数の2分の1に相当する月数及び保険料4分の3免除期間の月数の4分の1に相当する月数を合算した月数が  36月以上である者が死亡した場合において、その者に遺族があるときに、その遺族に支給する。ただし、老齢基礎年金又は障害基礎年金の支給を受けたことがある者が死亡したときは、この限りでない

 

52条の3(遺族の範囲及び順位等)

① 死亡一時金を受けることができる遺族は、死亡した者の配偶者、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹であって、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものとする。ただし、前条第3項の規定に該当する場合において支給する死亡一時金を受けることができる遺族は、死亡した者の配偶者であって、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものとする。

② 死亡一時金(①ただし書に規定するものを除く。)を受けるべき者の順位は、①に規定する順序による。

③ 死亡一時金を受けるべき同順位の遺族が2人以上あるときは、その1人のした請求は、全員のためその全額につきしたものとみなし、その1人に対してした支給は、全員に対してしたものとみなす。

 

 死亡一時金を受けることができる遺族の範囲は、死亡した者の配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹で、その者の死亡の当時その者と「生計を同じくしていた」ものです。

 また、受ける順位は、配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹の順です。

 

では、過去問をどうぞ!

①【H28年出題】

 死亡一時金を受けることができる遺族は、死亡した者の配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹又はこれらの者以外の三親等内の親族であって、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものである。

 

 

②【R1年出題】

 死亡一時金を受けることができる遺族が、死亡した者の祖父母と孫のみであったときは、当該死亡一時金を受ける順位は孫が優先する。なお、当該祖父母及び孫は当該死亡した者との生計同一要件を満たしているものとする。

 

 

 

 

 

 

【解答】

①【H28年出題】 × 

 死亡一時金を受けることができる遺族は、死亡した者の配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹です。これらの者以外の三親等内の親族は、死亡一時金の遺族になりません。

 

②【R1年出題】 〇 

 祖父母と孫では、死亡一時金を受ける順位は孫が優先します。

 

 

では、令和5年の問題をどうぞ!

R5年出題】

 死亡した甲の妹である乙は、甲の死亡当時甲と生計を同じくしていたが、甲によって生計を維持していなかった。この場合、乙は甲の死亡一時金の支給を受けることができる遺族とはならない。なお、甲には、乙以外に死亡一時金をうけることができる遺族はいないものとする。

 

 

 

 

 

 

【解答】

R5年出題】 × 

 死亡した甲の妹は、甲の死亡当時甲と生計を同じくしていた場合は、生計を維持していなくても死亡一時金の支給を受けることができます。

 「生計維持」の要件には「収入要件」がありますが、「生計同一」には収入要件はありません。

 死亡一時金の対象になる遺族は、「生計を同じくしていること」ですので、生計維持要件は問われません。

(参照:H23.3.23年発03231)

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