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社会保険労務士合格研究室

令和5年度過去問で解ける問題 厚生年金保険法

R6-081

R5.11.16 中高齢寡婦加算と遺族基礎年金の調整

過去問で解ける問題をみていきましょう。

今日は厚生年金保険法です。

 

 

「中高齢寡婦加算」は、要件を満たした妻が受ける遺族厚生年金に加算されます。

 

★中高齢寡婦加算が加算されるのは、次のいずれかの要件に該当する妻です。

(1) 遺族厚生年金の権利を取得した当時40歳以上65歳未満であったもの

(2) 40歳に達した当時被保険者若しくは被保険者であった者ので国民年金法第37条の2第1項に規定する要件に該当するものと生計を同じくしていたもの(=40歳に達した当時、子と生計を同じくし遺族基礎年金を受けていたもの)

 

★中高齢寡婦加算が加算されるのは、40歳から65歳になるまでの間です。

★中高齢寡婦加算の額は、「遺族基礎年金の額に4分の3を乗じて得た額」です。

(法第62条第1項)

 

(例)夫の死亡当時、妻が50歳で、生計を同じくする子がいない(=遺族基礎年金を受けていない)場合、50歳から65歳まで中高齢寡婦加算が加算されます。

 

50歳                 65

遺 族 厚 生 年 金

 

中高齢寡婦加算

老齢基礎年金

 

 

 

では、過去問をどうぞ!

①【H27年出題】

 子のない妻が、被保険者である夫の死亡による遺族厚生年金の受給権を取得したときに30歳以上40歳未満であった場合、妻が40歳に達しても中高齢寡婦加算は加算されない。

  

②【H28年出題】

 被保険者の死亡により妻が中高齢寡婦加算が加算された遺族厚生年金の受給権を取得した場合において、その遺族厚生年金は、妻に当該被保険者の死亡について国民年金法による遺族基礎年金が支給されている間、中高齢寡婦加算額に相当する部分の支給が停止される。

 

③【R3年出題】

 夫の死亡により、厚生年金保険法第58条第1項第4号に規定するいわゆる長期要件に該当する遺族厚生年金(その額の計算の基礎となる被保険者期間の月数が240以上あるものとする。)の受給権者となった妻が、その権利を取得した当時60歳であった場合は、中高齢寡婦加算として遺族厚生年金の額に満額の遺族基礎年金の額が加算されるが、その妻が、当該夫の死亡により遺族基礎年金も受給できるときは、その間、当該加算される額に相当する部分の支給が停止される。

 

 

 

 

 

 

 

【解答】

①【H27年出題】 〇 

 夫の死亡時に、30歳以上40歳未満で子がいない妻には、中高齢寡婦加算は加算されません。

 子がいない妻の場合は、夫の死亡時に40歳以上65歳未満でなければなりません。

 

 

②【H28年出題】 〇 

 子のある妻の場合は、遺族基礎年金が支給されます。

 遺族基礎年金は、子が18歳になる年度の331日まで(障害状態にある場合は20歳になるまで)支給されますが、遺族基礎年金が支給されている間、中高齢寡婦加算額は支給が停止されます。

 

条文を読んでみましょう。

65条 

 中高齢寡婦加算額が加算された遺族厚生年金は、その受給権者である妻が当該被保険者又は被保険者であった者の死亡について国民年金法による遺族基礎年金の支給を受けることができるときは、その間、中高齢寡婦加算額に相当する部分の支給を停止する。

 

 

 

                         65歳

遺族厚生年金

 

遺族基礎年金

中高齢寡婦加算

老齢基礎年金

 

 

            子 18歳年度末

※遺族基礎年金を受ける間、中高齢寡婦加算は支給停止されます。

 

 

③【R3年出題】 ×

 中高齢寡婦加算額は、満額の遺族基礎年金の額ではなく、「遺族基礎年金の額に4分の3を乗じた額」です。

 妻が、夫の死亡により遺族基礎年金も受給できるときは、その間、中高齢寡婦加算額に相当する部分の支給は停止されます。

 

では、令和5年の問題をどうぞ!

R5年出題】

 中高齢寡婦加算が加算された遺族厚生年金の受給権者である妻が、被保険者又は被保険者であった者の死亡について遺族基礎年金の支給を受けることができるときは、その間、中高齢寡婦加算は支給が停止される。

 

 

 

 

 

 

【解答】

R5年出題】 〇 

 中高齢寡婦加算が加算された遺族厚生年金の受給権者である妻が、遺族基礎年金の支給を受けることができるときは、その間、中高齢寡婦加算は支給が停止されます。 

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