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社会保険労務士合格研究室

令和5年度過去問で解ける問題 労働基準法

R6-097

R5.12.2 賃金直接払の原則

過去問で解ける問題をみていきましょう。

今日は労働基準法です。

 

賃金支払五原則の条文を読んでみましょう。

24条 (賃金の支払)

① 賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。ただし、法令若しくは労働協約に別段の定めがある場合又は厚生労働省令で定める賃金について確実な支払の方法で厚生労働省令で定めるものによる場合においては、通貨以外のもので支払い、また、法令に別段の定めがある場合又は当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定がある場合においては、賃金の一部を控除して支払うことができる。

② 賃金は、毎月1回以上一定の期日を定めて支払わなければならない。ただし、臨時に支払われる賃金、賞与その他これに準ずるもので厚生労働省令で定める賃金については、この限りでない。

 

賃金支払の原則は次の5つです。

1 通貨払い

2 直接払い

3 全額払い

4 毎月1回以上払い

5 一定期日払い

 

今日は「直接払いの原則」をみていきます。

 

過去問をどうぞ!

①【H21年出題】

 賃金は直接労働者に支払わなければならず、労働者の委任を受けた弁護士に賃金を支払うことは労働基準法第24条違反となる。

 

②【H28年出題】

 労働者が賃金の支払を受ける前に賃金債権を他に譲渡した場合でも、使用者は当該賃金債権の譲受人に対してではなく、直接労働者に対し賃金を支払わなければならないとするのが、最高裁判所の判例である。

 

③【H30年出題】

 派遣先の使用者が、派遣中の労働者本人に対して、派遣元の使用者からの賃金を手渡すことだけであれば、労働基準法第24条第1項のいわゆる賃金直接払の原則に違反しない。

 

 

 

 

 

 

【解答】

①【H21年出題】 〇 

 労働基準法第24条第1項は、労働者本人以外の者に賃金を支払うことを禁止しています。そのため、労働者の親権者その他の法定代理人に賃金を支払うこと、労働者の委任を受けた任意代理人に賃金を支払うことは、第24条違反となります。

 労働者の委任を受けた弁護士に賃金を支払うことはできません。

S63.3.14基発150号)

 

②【H28年出題】 〇

 労働者が賃金債権を他に譲渡した場合でも、労働基準法第24条の直接払いの原則は適用されますので、使用者は、直接労働者に対し賃金を支払わなければなりません。譲受人に対して賃金を支払うことはできません。

(最高三小43.3.12

 

 

③【H30年出題】 〇 

 派遣先の使用者が、派遣中の労働者本人に対して、派遣元の使用者からの賃金を手渡すことだけであれば、賃金直接払の原則には違反しません。

(S61.6.6基発333号)

 

では、令和5年の問題をどうぞ!

R5年出題】

 労働基準法第24条第1項に定めるいわゆる直接払の原則は、労働者と無関係の第三者に賃金を支払うことを禁止するものであるから、労働者の親権者その他法定代理人に支払うことは直接払の原則に違反しないが、労働者の委任を受けた任意代理人に支払うことは直接払の原則に違反する。

 

 

 

 

 

 

【解答】

R5年出題】 × 

 労働者の親権者その他法定代理人に支払うこと、労働者の委任を受けた任意代理人に支払うこと、どちらも直接払の原則に違反します。

S63.3.14基発150号)

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