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社会保険労務士合格研究室

過去問から学ぶ 労働基準法

R6-189 

R6.3.3 平均賃金のポイント! 

過去問から学びましょう。

今日は労働基準法です。

 

 

条文を読んでみましょう。

12条第1項・2

① 平均賃金とは、これを算定すべき事由の発生した日以前3か月間にその労働者に対し支払われた賃金の総額を、その期間の総日数で除した金額をいう。ただし、その金額は、次の各号の一によって計算した金額を下ってはならない。

1) 賃金が、労働した若しくは時間によって算定され、又は出来高払制その他の請負制によって定められた場合においては、賃金の総額をその期間中に労働した日数で除した金額の100分の60

2) 賃金の一部が、月、週その他一定の期間によって定められた場合においては、その部分の総額をその期間の総日数で除した金額と(1)の金額の合算額

② 平均賃金の算定期間は、賃金締切日がある場合においては、直前の賃金締切日から起算する。 

 

★平均賃金の原則の計算式

3か月間に支払われた賃金の総額

その期間の総日数(暦日数)

 

★平均賃金の最低保障額(賃金の全部が日給制、時間給制、出来高払制の場合)

賃金の総額

×

60

労働した日数

100

 

 

12条第3項・4

③ 平均賃金の算定期間中に、次の各号のいずれかに該当する期間がある場合においては、その日数及びその期間中の賃金は、算定期間及び賃金の総額から控除する

1) 業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業した期間

2) 産前産後の女性が第65条の規定によって休業した期間

3) 使用者の責めに帰すべき事由によって休業した期間

4) 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律に規定する育児休業又は介護休業をした期間

5) 試みの使用期間

④ 賃金の総額には、臨時に支払われた賃金及び3か月を超える期間ごとに支払われる賃金並びに通貨以外のもので支払われた賃金で一定の範囲に属しないものは算入しない。

 

★③は「分子」(賃金総額)からも、「分母」(総日数)からも控除します

★④は、「分子」(賃金総額)からのみ控除します。

 

では、過去問をどうぞ!

①【H27年出題】

 平均賃金の計算の基礎となる賃金の総額には、3か月を超える期間ごとに支払われる賃金、通勤手当及び家族手当は含まれない。

 

 

②【H27年出題】

 平均賃金の計算において、労働者が労働基準法第7条に基づく公民権の行使により休業した期間は、その日数及びその期間中の賃金を労働基準法第12条第1項及び第2項に規定する期間及び賃金の総額から除外する。

 

 

③【H27年出題】

 労働災害により休業していた労働者がその災害による傷病が原因で死亡した場合、使用者が遺族補償を行うに当たり必要な平均賃金を算定すべき事由の発生日は、当該労働者が死亡した日である。

 

 

④【H27年出題】

 賃金締切日が毎月月末と定められていた場合において、例えば731日に算定事由が発生したときは、なお直前の賃金締切日である630日から遡った3か月が平均賃金の算定期間となる。

 

 

⑤【H27年出題】

 賃金締切日が、基本給は毎月月末、時間外手当は毎月20日とされている事業場において、例えば625日に算定事由が発生したときは、平均賃金の起算に用いる直前の賃金締切日は、基本給、時間外手当ともに基本給の直前の締切日である531日とし、この日から遡った3か月が平均賃金の算定期間となる。

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】

①【H27年出題】 × 

 賃金の総額に算入しない賃金は、

・臨時に支払われた賃金

・3か月を超える期間ごとに支払われる賃金

・通貨以外のもので支払われた賃金(現物給与)で一定の範囲に属しないもの

です。

「通勤手当及び家族手当」は賃金総額に含みます。

(第12条第4項)

 

 

②【H27年出題】 ×

 「公民権の行使により休業した期間」は、休業した期間の日数も賃金も平均賃金の計算に算入します。

賃金総額・その期間の日数の両方から控除されるのは以下の期間です。

1) 業務上の負傷・疾病による療養のための休業期間

2) 産前産後の女性の休業期間

3) 使用者の責めに帰すべき事由による休業期間

4) 育児休業、介護休業期間

5) 試用期間

(第12条第4項)

 

 

③【H27年出題】 × 

 労働基準法施行規則第48条で、「災害補償を行う場合には、死傷の原因たる事故発生の日又は診断によって疾病の発生が確定した日を、平均賃金を算定すべき事由の発生した日とする。」と定められていますので、「死亡した日」は誤りです。

(則第48条)

 

 

④【H27年出題】 〇 

 「平均賃金の算定期間は、賃金締切日がある場合においては、直前の賃金締切日から起算する。」と規定されています。

 賃金締切日が毎月月末で、731日に算定事由が発生した場合は、直前の賃金締切日である630日から遡った3か月が平均賃金の算定期間となります。

(第12条第2項)

 

 

⑤【H27年出題】 ×

 賃金ごとに賃金締切日が異なる場合は、それぞれの賃金ごとの賃金締切日から起算します。

625日に算定事由が発生した場合、

基本給(毎月月末締め)は、531日から遡った3か月

時間外手当(毎月20日締め)は、620日から遡った3か月

となります。

S26.12.27基収5926号)

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