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社会保険労務士合格研究室

過去問から学ぶ 労災保険法

R6-191 

R6.3.5 遺族補償年金の受給資格者と受給権者

過去問から学びましょう。

今日は労災保険法です。

 

 

★遺族補償年金を受けることができる遺族は、労働者の配偶者、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹であって、労働者の死亡の当時その収入によって生計を維持していたものです。

 ただし、「妻」以外の者は、労働者の死亡の当時、「年齢要件」か「障害条件」に該当した場合に限られます。

 要件に該当する者が「受給資格者」となります。

 受給資格者には順位があり、年金を受けることができるのは受給資格者の中の最先順位者です。年金を受ける者を「受給権者」といいます。

 順位は以下の通りです。

妻(年齢要件、障害要件はありません)

60歳以上又は一定の障害)

18歳に達する日以後の最初の331日までの間にある又は一定の障害)

父母60歳以上又は一定の障害)

18歳に達する日以後の最初の331日までの間にある又は一定の障害)

祖父母60歳以上又は一定の障害)

兄弟姉妹18歳に達する日以後の最初の331日までの間にある又は60歳以上又は一定の障害)

55歳以上60歳未満)

父母55歳以上60歳未満)

祖父母55歳以上60歳未満)

兄弟姉妹55歳以上60歳未満)

(第16条の2第1項、3項、昭40年法附則43条)

★転給とは?

 最先順位者が失権した場合に、次の順位の者が受給権者になることです。

 

 

 

 

では、過去問をどうぞ!

 

①【R5年出題】

 妻である労働者の死亡当時、無職であった障害の状態にない50歳の夫は、労働者の死亡の当時その収入によって生計を維持していたものであるから、遺族補償年金の受給資格者である。

 

 

②【R2年出題】

 業務上の災害により死亡した労働者Yには2人の子がいる。1人はYの死亡の当時19歳であり、Yと同居し、Yの収入によって生計を維持していた大学生で、もう1人は、Yの死亡の当時17歳であり、Yと離婚した元妻と同居し、Yが死亡するまで、Yから定期的に養育費を送金されていた高校生であった。2人の子は、遺族補償年金の受給資格者であり、同順位の受給権者となる。

 

 

③【H19年出題】

 遺族補償年金の受給資格要件の一つである厚生労働省令で定める障害の状態は、身体に障害等級第5級以上に該当する障害がある状態又は傷病が治らないで、身体の機能若しくは精神に、労働が高度の制限を受けるか、若しくは労働に高度の制限を加えることを必要とする程度以上の障害がある状態である。

 

 

④【H18年出題】

 遺族補償給付を受けることができる遺族は、死亡した労働者の配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあった者を含む。)であって、労働者の死亡の当時その収入によって生計を維持していたものでなければならない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】

①【R5年出題】 ×

 「夫」は、「年齢要件」か「障害要件」のどちらかを満たす必要があります。

「障害の状態にない50歳の夫」は、どちらにも当てはまりませんので、遺族補償年金の受給資格者になりません。

(第16条の2第1項)

 

 

②【R2年出題】 × 

 「子」は「年齢要件」か「障害要件」のどちらかを満たす必要があります。

19歳の大学生は、年齢要件を満たしませんので、一定の障害状態にない場合は、受給資格者になりません。

17歳の高校生は、年齢要件を満たしますので、一定の障害状態になくても、受給資格者になります。

(第16条の2第1項)

 

 

③【H19年出題】 〇 

「第5級以上」、「労働が高度の制限を受けるか、若しくは労働に高度の制限を加えることを必要とする程度」がキーワードです。

(則第15条)

 

 

④【H18年出題】 × 

 「遺族補償給付」には、「遺族補償年金」と「遺族補償一時金」があります。

「遺族補償年金」は、労働者の死亡の当時その収入によって生計を維持していたものでなければなりません。

一方、「遺族補償一時金」は、労働者の死亡の当時その収入によって生計を維持していたものでなくても、受けられる可能性があります。

(第16条の2第1項、第16条の7)

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