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社会保険労務士合格研究室

過去問から学ぶ 労働に関する一般常識

R6-201

R6.3.15 パートタイム・有期雇用労働法第8条と第9

過去問から学びましょう。

今日はパートタイム・有期雇用労働法です。

 

 

 まず、「短時間労働者」と「有期雇用労働者」の定義を条文で確認しましょう。

第2条第1項・2

① この法律において「短時間労働者」とは、1週間の所定労働時間が同一の事業主に雇用される通常の労働者の1週間の所定労働時間に比し短い労働者をいう。

② この法律において「有期雇用労働者」とは、事業主と期間の定めのある労働契約を締結している労働者をいう。

 

★短時間労働者とは

 → 1週間の所定労働時間が、同じ会社で雇用される「通常の労働者」と比較して短い労働者

★有期雇用労働者とは

 → 会社と「有期雇用」(1年や3年などの期間が定められている)の労働契約を結んでいる労働者

 

 

 パートタイム・有期雇用労働法第8条では、同一企業の通常の労働者と短時間労働者及び有期雇用労働者との間の不合理な待遇の差を禁止しています。

条文を読んでみましょう。

第8条 (不合理な待遇の禁止)

 事業主は、その雇用する短時間・有期雇用労働者の基本給、賞与その他の待遇のそれぞれについて、当該待遇に対応する通常の労働者の待遇との間において、当該短時間・有期雇用労働者及び通常の労働者の業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度(以下「職務の内容」という。)、当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情のうち、当該待遇の性質及び当該待遇を行う目的に照らして適切と認められるものを考慮して、不合理と認められる相違を設けてはならない。 

 

 第9条では、通常の労働者と同視すべき短時間労働者・有期雇用労働者に対する差別的取扱いを禁止しています。

 条文を読んでみましょう。

第9条

 事業主は、職務の内容が通常の労働者と同一の短時間・有期雇用労働者であって、当該事業所における慣行その他の事情からみて、当該事業主との雇用関係が終了するまでの全期間において、その職務の内容及び配置が当該通常の労働者の職務の内容及び配置の変更の範囲と同一の範囲で変更されることが見込まれるもの(通常の労働者と同視すべき短時間・有期雇用労働者」という。)については、短時間・有期雇用労働者であることを理由として、基本給、賞与その他の待遇のそれぞれについて、差別的取扱いをしてはならない

 

 

 では、「短時間・有期雇用労働者及び派遣労働者に対する不合理な待遇の禁止等に関する指針(H30.12.28厚生労働省告示第 430 号)」からの問題をみてみましょう。

過去問をどうぞ!

①【R2年出題】

 パートタイム・有期雇用労働法が適用される企業において、同一の能力又は経験を有する通常の労働者であるXと短時間労働者であるYがいる場合、XYに共通して適用される基本給の支給基準を設定し、就業の時間帯や就業日が日曜日、土曜日又は国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第178号)に規定する休日か否か等の違いにより、時間当たりの基本給に差を設けることは許されない。

 

 

②【R4年出題】

賞与であって、会社の業績等への労働者の貢献に応じて支給するものについて、通常の労働者と同一の貢献である短時間・有期雇用労働者には、貢献に応じた部分につき、通常の労働者と同一の賞与を支給しなければならず、貢献に一定の相違がある場合においては、その相違に応じた賞与を支給しなければならない。

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】

①【R2年出題】 × 

 ガイドラインでは、「通常の労働者」と「短時間労働者・有期雇用労働者」との間に待遇の相違がある場合に、どのような相違が不合理で、どのような相違が不合理でないかの原則となる考え方と具体例が示されています。

★パートタイム・有期雇用労働者の待遇に関して原則となる考え方

・基本給であって、労働者の能力又は経験に応じて支給するものについて、通常の労働者と同一の能力又は経験を有する短時間・有期雇用労働者には、能力又は経験に応じた部分につき、通常の労働者と同一の基本給を支給しなければならない。また、能力又は経験に一定の相違がある場合においては、その相違に応じた基本給を支給しなければならない。

 

 問題文の事例は、「問題とならない例」となっています。「許されない」は誤りです。

H30.12.28厚生労働省告示第 430 号)

 

 

②【R4年出題】 〇

★パートタイム・有期雇用労働者の待遇に関して原則となる考え方

賞与であって、会社の業績等への労働者の貢献に応じて支給するものについて、通常の労働者と同一の貢献である短時間・有期雇用労働者には、貢献に応じた部分につき、通常の労働者と同一の賞与を支給しなければならない。

また、貢献に一定の相違がある場合においては、その相違に応じた賞与を支給しなければならない。

 

問題文は、「賞与であって、会社の業績等への労働者の貢献に応じて支給するもの」についての原則となる考え方です。

H30.12.28厚生労働省告示第 430 号)

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