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社会保険労務士合格研究室

過去問から学ぶ 社会保険に関する一般常識

R6-234 4.17

社労士受験のための 国民健康保険法 法定給付と任意給付

過去問から学びましょう。

今日は国民健康保険法です。

 

 

国民健康保険法の保険給付は、「法定給付」「任意給付」に分かれています。

また、「法定給付」には、必ず行わなければならない「絶対的必要給付」と、特別な理由がある場合は全部又は一部を行なわないことができる「相対的必要給付」があります。

 

法定給付

絶対的必要給付

相対的必要給付

任意給付

 

 

「相対的必要給付」と「任意給付」について条文を読んでみましょう。

58条第1項、2

① 市町村及び国民健康保険組合は、被保険者の出産及び死亡に関しては、条例又は規約の定めるところにより、出産育児一時金の支給又は葬祭費の支給若しくは葬祭の給付行うものとする。ただし、特別の理由があるときは、その全部又は一部を行わないことができる

② 市町村及び国民健康保険組合は、条例又は規約の定めるところにより、傷病手当金の支給その他の保険給付を行うことができる。 

 

出産育児一時金、葬祭費、葬祭の給付は、「行うものとする」とされていますが、特別の理由があるときは、その全部又は一部を行わないことができる「相対的必要給付」です。

 

②傷病手当金その他の保険給付(出産手当金)は「行うことができる」となっています。行うかどうかや給付の内容は、市町村及び組合が決定できる「任意給付」です。

 

 

では、過去問をどうぞ!

①【H26年出題】※改正による修正あり

 市町村及び国民健康保険組合は、被保険者が療養の給付を受けるために病院又は診療所に移送されたときは、条例又は規約の定めるところにより移送費の支給を行うものとする。ただし、特別の理由があるときは、その全部又は一部を行わないことができる。

 

 

 

 

 

【解答】

①【H26年出題】 ×

 「移送費」は法定給付の絶対的必要給付です。

被保険者が療養の給付を受けるため病院又は診療所に移送されたときは、当該被保険者の属する世帯の世帯主又は組合員に対し、移送費として、厚生労働省令で定めるところにより算定した額を支給します。

 移送費は、必ず行わなければならない「絶対的必要給付」で、給付内容も法令で定められています。

(第54条の4)

 

 

②【H26年出題】※改正による修正あり

 市町村及び国民健康保険組合は、条例又は規約の定めるところにより、傷病手当金の支給を行うことができる

 

 

 

 

【解答】

②【H26年出題】 〇

 傷病手当金は、条例又は規約の定めるところにより行うことができる「任意給付」です。

(第58条第2項)

 

 

③【H26年出題】※改正による修正あり

 市町村及び国民健康保険組合は、被保険者の死亡に関しては、埋葬料又は埋葬費の支給を行わなければならない。

 

 

 

 

 

 

【解答】

③【H26年出題】 ×

 「死亡」に関しては、『「葬祭費の支給又は葬祭の給付」を行うものとする。ただし、特別の理由があるときは、その全部又は一部を行わないことができる。』とされています。 

 「絶対的必要給付」ではなく、「相対的必要給付」です。

 

 

④【R1年出題】

 市町村及び組合は、被保険者の出産及び死亡に関しては、条例又は規約の定めるところにより、出産育児一時金の支給又は葬祭費の支給若しくは葬祭の給付を行うものとする。ただし、特別の理由があるときは、その全部又は一部を行わないことができる。

 

 

 

 

【解答】

④【R1年出題】 〇 

 出産育児一時金の支給又は葬祭費の支給若しくは葬祭の給付は、相対的必要給付です。

(第58条第1項)

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