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R6-268 5.21
過去問から学びましょう。
今日は労働基準法です。
まず労働基準法の「労働者」の定義を条文で読んでみましょう。
第9条 (定義) この法律で「労働者」とは、職業の種類を問わず、事業又は事務所(以下「事業」という。)に使用される者で、賃金を支払われる者をいう。 |
①事業に「使用」される者で、②その対償に「賃金」が支払われる者は、労働基準法の労働者となります。
今回は、労働者に該当するか否かの具体例をみていきます。
過去問をどうぞ!
①【R4年出題】
株式会社の代表取締役は、法人である会社に使用される者であり、原則として労働基準法の労働者になるとされている。
【解答】
①【R4年出題】 ×
法人、団体、組合等の代表者又は執行機関たる者の如く、事業主体との関係において使用従属の関係に立たない者は労働者ではありません。
(H11.3.31基発168号)
②【H29年出題】
株式会社の取締役であっても業務執行権又は代表権を持たない者は、工場長、部長等の職にあって賃金を受ける場合には、その限りにおいて労働基準法第9条に規定する労働者として労働基準法の適用を受ける。
【解答】
②【H29年出題】 〇
株式会社の取締役でも、工場長、部長等職にあって賃金を受ける場合には、その限りにおいて労働者として労働基準法の適用を受けます。
(S23.3.17基発461号)
③【R4年出題】
明確な契約関係がなくても、事業に「使用」され、その対償として「賃金」が支払われる者であれば、労働基準法の労働者である。
【解答】
③【R4年出題】 〇
事業に「使用」され、その対償として「賃金」が支払われる者であれば、労働基準法の労働者となります。そのような場合は、明確な契約関係がなくても労働基準法が適用されます。
④【H29年出題】
医科大学付属病院に勤務する研修医が、医師の資質の向上を図ることを目的とする臨床研修のプログラムに従い、臨床研修指導医の指導の下に医療行為等に従事することは、教育的な側面を強く有するものであるため、研修医は労働基準法第9条所定の労働者に当たることはないとするのが、最高裁判所の判例の趣旨である。
【解答】
④【H29年出題】 ×
研修医が、医療行為等に従事することは、「教育的な側面を強く有するもの」ではなく「病院の開設者のための労務の遂行という側面を不可避的に有することとなる」のであり、「病院の開設者の指揮監督の下にこれを行ったと評価できる」限り、研修医は労働基準法第9条所定の「労働者に当たる」ものというべきである、とされています。
(H17.6.3最高裁判所第二小法廷)
⑤【H27年出題】
形式上は請負契約のようなかたちをとっていても、その実体において使用従属関係が認められるときは、当該関係は労働関係であり、当該請負人は労働基準法第9条の「労働者」に当たる。
【解答】
⑤【H27年出題】 〇
請負契約と労働契約は異なります。
「請負」とは、「当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約すること」です。(民法632条)
請負は、業務を自己の業務として相手方から独立して処理するものです。(S23.1.9基発14号)
しかし、請負契約の形式をとっていても、使用従属関係の実体が認められるときは、その関係は労働関係であり、当該請負人は労働基準法の「労働者」に当たります。
⑥【H29年出題】
工場が建物修理の為に大工を雇う場合、そのような工事は一般に請負契約によることが多く、また当該工事における労働は工場の事業本来の目的の為のものでもないから、当該大工が労働基準法第9条の労働者に該当することはなく、労働基準法が適用されることはない。
【解答】
⑥【H29年出題】 ×
工場が建物修理の為に大工を雇う場合、そのような工事は一般に請負契約によることが多いです。しかし、請負契約によらず雇用契約によってその事業主と大工との間に使用従属関係が認められる場合は、労働者となり、労働基準法の適用を受けます。
大工が労働者に該当し、労働基準法が適用されることもあります。
(H11.3.31基発168号)
⑦【R1年出題】
いわゆる芸能タレントは、「当人の提供する歌唱、演技等が基本的に他人によって代替できず、芸術性、人気等当人の個性が重要な要素となっている」「当人に対する報酬は、稼働時間に応じて定められるものではない」「リハーサル、出演時間等スケジュールの関係から時間が制約されることはあっても、プロダクション等との関係では時間的に拘束されることはない」「契約形態が雇用契約ではない」のいずれにも該当する場合には、労働基準法第9条の労働者には該当しない。
【解答】
⑦【R1年出題】 〇
次の4つの全てに該当する芸能タレントは、労働基準法の労働者にはなりません。
①当人の提供する歌唱、演技等が基本的に他人によって代替できず、芸術性、人気等当人の個性が重要な要素となっている
②当人に対する報酬は、稼働時間に応じて定められるものではない
③リハーサル、出演時間等スケジュールの関係から時間が制約されることはあっても、プロダクション等との関係では時間的に拘束されることはない
④契約形態が雇用契約ではない
(S63.7.30基収355号)
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