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社会保険労務士合格研究室

過去問から学ぶ 労働基準法

R6-320 7.12

賃金の重要問題5問【社労士受験対策】

過去問から学びましょう。

今日は労働基準法です。

 

「賃金」の重要ポイントを過去問でみていきましょう。

 

過去問をどうぞ!

①【H23年出題】

 労働安全衛生法第66条による健康診断の結果、私傷病を理由として医師の証明に基づき、当該証明の範囲内において使用者が休業を命じた場合には、当該休業を命じた日については労働基準法第26条の「使用者の責に帰すべき事由による休業」に該当するので、当該休業期間中同条の休業手当を支払わなければならない。

 

 

 

 

 

【解答】

①【H23年出題】 ×

 健康診断の結果に基づいて、医師の証明の範囲内で、使用者が休業を命じた場合には、使用者は労務の提供のなかった限度で賃金を支払わなくても差し支えないとされています。

 問題文の休業を命じた日については「使用者の責に帰すべき事由による休業」には該当しません。

(昭63.3.14基発150号)

 

 

②【H23年出題】

 労働者が業務命令によって指定された時間、指定された出張・外勤業務に従事せず内勤業務に従事した場合には労働者は債務の本旨に従った労務の提供をしたものであり、使用者が業務命令を事前に発して、その指定した時間については出張・外勤以外の労務の受領をあらかじめ拒絶していたとしても、当該労働者が提供した内勤業務についての労務を受領したものといえ、使用者は当該労働者に対し当該内勤業務に従事した時間に対応する賃金の支払義務を負うとするのが最高裁判所の判例である。

 

 

 

 

【解答】

②【H23年出題】 ×

・労働者が、業務命令によって指定された時間、その指定された出張・外勤業務に従事せず内勤業務に従事したこと

債務の本旨に従った労務の提供をしたものとはいえない

 

・使用者が、業務命令を事前に発したということは

その指定した時間については出張・外勤以外の労務の受領をあらかじめ拒絶したものと解すべき

 

・労働者が提供した内勤業務については

労務を受領したものとはいえない

 

・使用者は、労働者に対し内勤業務に従事した時間に対する賃金の支払義務は負わない

(昭和6037日最高裁判所第1小法廷)

 

 

③【H23年出題】

 労働協約において稼働率80%以下の労働者を賃上げ対象から除外する旨の規定を定めた場合に、当該稼働率の算定に当たり労働災害による休業を不就労期間とすることは、経済的合理性を有しており、有効であるとするのが最高裁判所の判例である。

 

 

 

 

 

【解答】

③【H23年出題】 ×

 80%条項は、労働基準法又は労働組合法上の権利に基づくもの以外の不就労を基礎として稼働率を算定する限りにおいては、有効です。

 しかし、労働基準法又は労働組合法上の権利に基づく不就労を稼働率算定の基礎としている点は、公序に反し無効とされています。

 労働基準法又は労働組合法上の権利を行使したことにより経済的利益を得られないこととすることによって権利の行使を抑制し、労働者に各権利を保障した趣旨を実質的に失わせることになるからです。

(平成元年1214日最高裁判所第一小法廷)

 

 

④【H23年出題】

 労働者が5分遅刻した場合に、30分遅刻したものとして賃金カットをするという処理は、労務の提供のなかった限度を超えるカット(25分についてのカット)について労働基準法第24条の賃金の全額払の原則に反し違法であるが、このような取扱いを就業規則に定める減給の制裁として同法第91条の制限内で行う場合には、同法第24条の賃金の全額払の原則に反しない。

 

 

 

 

 

【解答】

④【H23年出題】 〇

5分の遅刻で、30分遅刻したものとして賃金カットをすることは、全額払違反となります。

 ただし、第91条の減給制裁の制限内で行う場合は全額払い違反にはなりません。

(第91条 昭63.3.14基発150号)

 

 

⑤【H23年出題】

 労働基準法第37条に定める割増賃金の基礎となる賃金(算定基礎賃金)はいわゆる通常の賃金であり、家族手当は算定基礎賃金に含めないことが原則であるから、家族数に関係なく一律に支給されている手当は、算定基礎賃金に含める必要はない。

 

 

 

 

【解答】

⑤【H23年出題】 ×

 家族手当は、割増賃金の基礎となる賃金に含めないことが原則です。

 ただし、家族数に関係なく一律に支給されている手当は、家族手当とはみなされず、割増賃金の基礎となる賃金に含めなければなりません。

(第37条 昭22.11.5基発231号)

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