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社会保険労務士合格研究室

過去問から学ぶ 徴収法

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滞納処分と延滞金の注意点【社労士受験対策】

過去問から学びましょう。

今日は徴収法です。

 

まず、条文を読んでみましょう。

27条 (督促及び滞納処分)

① 労働保険料その他この法律の規定による徴収金を納付しない者があるときは、政府は、期限を指定して督促しなければならない

② 督促するときは、政府は、納付義務者に対して督促状を発する。この場合において、督促状により指定すべき期限は、督促状を発する日から起算して10日以上経過した日でなければならない。

③ 督促を受けた者が、その指定の期限までに、労働保険料その他この法律の規定による徴収金を納付しないときは、政府は、国税滞納処分の例によって、これを処分する

 

28条第1項 (延滞金)

① 政府は、労働保険料の納付を督促したときは、労働保険料の額に、納期限の翌日からその完納又は財産差押えの日の前日までの期間の日数に応じ、年14.6パーセント(当該納期限の翌日から2月を経過する日までの期間については、年7.3パーセント)の割合を乗じて計算した延滞金を徴収する。ただし、労働保険料の額が1,000円未満であるときは、延滞金を徴収しない。

 

※令和6年度中の延滞金の割合

・年8.7パーセント

(納期限の翌日から2月を経過する日までの期間は、年2.4パーセント)

 

過去問をどうぞ!

①【H25年出題】(雇用)

 所轄都道府県労働局歳入徴収官は、労働保険料その他労働保険徴収法の規定による徴収金を納付しない事業主に対して、期限を指定して督促を行うが、指定された期限までに納付しない事業主からは、指定した期限の翌日から完納の前日までの日数に応じ、所定の割合を乗じて計算した延滞金を徴収する。

 

 

 

 

 

【解答】

①【H25年出題】(雇用) ×

 延滞金は、「指定した期限の翌日」からではなく、「法定納期限の翌日」から完納又は財産差押えの日の前日までの日数に応じ、所定の割合を乗じて計算します。

(第28条第1項)

 

納期限

 

 

 

督促状の

指定期限

 

 

完納

 

 

納期限の

翌日

 

 

完納の

前日

 

 

 

 

 

②【H29年出題】(雇用)

 事業主が労働保険料その他労働保険徴収法の規定による徴収金を法定納期限までに納付せず督促状が発せられた場合でも、当該事業主が督促状に指定された期限までに当該徴収金を完納したときは、延滞金は徴収されない。

 

 

 

 

 

【解答】

②【H29年出題】(雇用) 〇

 督促状が発せられた場合でも、事業主が督促状に指定された期限までに徴収金を完納したときは、延滞金は徴収されません。

 延滞金が徴収されない場合を条文で読んでみましょう。

28条第5

 延滞金は、次の各号のいずれかに該当する場合には、徴収しない。ただし、(4)の場合には、その執行を停止し、又は猶予した期間に対応する部分の金額に限る。

1) 督促状に指定した期限までに労働保険料その他この法律の規定による徴収金を完納したとき。

2) 納付義務者の住所又は居所がわからないため、公示送達の方法によって督促したとき。

3) 延滞金の額が100円未満であるとき。

4) 労働保険料について滞納処分の執行を停止し、又は猶予したとき。

5) 労働保険料を納付しないことについてやむを得ない理由があると認められるとき。

 

 

 

③【H26年出題】(雇用)

 所轄都道府県労働局歳入徴収官は、追徴金を納期限までに納付しない事業主に対し、期限を指定して当該追徴金の納付を督促するが、当該事業主は、その指定した期限までに納付しない場合には、未納の追徴金の額につき、所定の割合に応じて計算した延滞金を納付しなければならない。

 

 

 

 

【解答】

③【H26年出題】(雇用) ×

「追徴金」について

追徴金は、労働保険料ではないことに注意してください。

・ 督促の対象は、「労働保険料その他この法律の規定による徴収金ですので、追徴金も督促の対象になります。

(第27条第3項)

・ 延滞金は、「労働保険料の納付を督促」したときに徴収されます。追徴金は労働保険料ではありませんので、追徴金は延滞金の対象になりません。

(第28条第1項)

 

 

④【H22年出題】(雇)

 事業主が、追徴金について、督促状による納付の督促を受けたにもかかわらず、督促状に指定する期限までに当該追徴金を納付しないときは、当該追徴金の額につき延滞金が徴収されることがあるが、国税滞納処分の例によって処分されることはない。

 

 

 

 

 

【解答】

④【H22年出題】(雇) ×

 追徴金は、国税滞納処分の例によって処分される対象になります。

(第27条第3項)

追徴金の額については、延滞金の対象になりません。

(第28条第1項) 

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