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社会保険労務士合格研究室

過去問から学ぶ 労働基準法

R6-236 4.19

社労士受験のための
割増賃金②割増賃金の基礎に算入しなくてもよい手当

過去問から学びましょう。

今日は労働基準法です。

 

 例えば、時間外労働をさせた場合、「通常の労働時間」の賃金の計算額の2割5分以上の率で計算した割増賃金を支払わなければなりません。

 通常の労働時間の賃金の計算式は、「月によって定められた賃金」については、「その金額を月における所定労働時間数(月によって所定労働時間数が異る場合には、1年間における1月平均所定労働時間数)で除した金額」と定められています。

 詳しくはこちらの記事をどうぞ

 なお、基本給と手当が支払われている場合は、手当も含めて計算します。

 しかし、割増賃金の基礎に算入しなくてもよい手当が定められていますので、確認しましょう。

 

条文を読んでみましょう。

37条第5

 割増賃金の基礎となる賃金には、家族手当、通勤手当その他厚生労働省令で定める賃金は算入しない

 

則第21条 

 法第37条第5項の規定によって、家族手当及び通勤手当のほか、次に掲げる賃金は、割増賃金の基礎となる賃金には算入しない

1) 別居手当

2) 子女教育手当

3) 住宅手当

4) 臨時に支払われた賃金

5) 1か月を超える期間ごとに支払われる賃金

 

 割増賃金の基礎に算入しなくてもよい手当は、頭文字をとって「か・つ・べ・し・ん・いち・の住宅」です。

 

 

過去問をどうぞ!

①【H26年出題】

 通勤手当は、労働とは直接関係のない個人的事情に基づいて支払われる賃金であるから、労働基準法第37条の割増賃金の基礎となる賃金には算入しないこととされている。

 

 

 

 

 

【解答】

①【H26年出題】 〇

 通勤手当は、労働とは直接関係のない個人的事情に基づくものですので、割増賃金の基礎となる賃金から除外されます。

(則第21条)

 

 

②【H23年出題】

 労働基準法第37条に定める割増賃金の基礎となる賃金(算定基礎賃金)はいわゆる通常の賃金であり、家族手当は算定基礎賃金に含めないことが原則であるから、家族数に関係なく一律に支給されている手当は、算定基礎賃金に含める必要はない。

 

 

 

 

【解答】

②【H23年出題】 × 

 家族手当も、通勤手当と同じく、労働とは直接関係のない個人的事情に基づくものですので、割増賃金の基礎となる賃金から除外されます。

 しかし、「家族手当」といっても、扶養家族数に関係なく一律に支給される手当や、独身者に対しても一定額が支払われている場合は、「家族手当」とはみなされません。

 そのため、家族数に関係なく一律に支給されている手当は、算定基礎賃金に含めなければなりません。

S23.11.5基発231号)

 

 

③【H19年出題】

 労働基準法第37条第5項及び労働基準法施行規則第21条の規定によって、割増賃金の計算の基礎となる賃金には家族手当、住宅手当等は算入されないこととされており、例えば、賃貸住宅の居住者には3万円、持家の居住者には1万円というように、住宅の形態ごとに一律に定額で支給することとされている手当は、同規則第21条でいう住宅手当に該当し、同法第37条の割増賃金の計算の基礎となる賃金には算入しない。

 

 

 

 

【解答】

③【H19年出題】 ×

 「住宅手当」は、家族手当、通勤手当と同じく、労働とは直接関係のない個人的事情に基づくものですので、割増賃金の基礎となる賃金から除外されます。

 割増賃金の基礎から除外される住宅手当とは、「住宅に要する費用」に応じて算定される手当をいいます。

 問題文のように、「住宅の形態ごとに一律に定額で支給することとされている手当」や、「全員に一律に定額で支給される手当」は、除外される「住宅手当に該当しません」ので、割増賃金の計算の基礎となる賃金には算入しなければなりません。

(則第21条、H11.3.31基発170号) 

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